光熱費の節約をしたいなどの理由から、太陽光発電に興味を持っている人も多いでしょう。太陽光発電を取り入れるのなら、設置のポイントを押さえておく必要があるのです。どのようなことに気をつけたらいいのでしょうか。この記事では、太陽光発電のメリットやデメリット、設置するときのポイントや流れなどについて詳しく解説していきます。
太陽光発電を設置するメリット
“太陽光発電を設置するメリットとしてもっとも大きいのは、光熱費の削減につながることでしょう。太陽光発電を設置して発電することで、家庭で使う電気をまかなうことができます。夏場のエアコンを多く使う時期や冬場の暖房を使う時期などには、電力の需要が高まります。太陽光発電で発電することで、需要が多い時期でも電気料金を少なく抑えることができます。また、太陽光発電にする前にオール電化にしておけば、ガス料金も抑えることができるので、光熱費が大幅に削減できるでしょう。
売電できるのも大きなメリットです。太陽光発電で発電した電気は、家庭で使われることになります。しかし、使われずに余った分の電気は各電力会社に買ってもらうことができるのです。家庭での電力をまかなえるだけでなく、余った分は収入にすることができるのでお得でしょう。太陽電池が安価になっているのも、良い点です。太陽光発電システムは安い買い物ではありませんが、普及するにつれ値段が下がってきています。性能も向上しているため、発電量も増えています。そのため、実質的に価格がダウンしていると言えるでしょう。
災害時に停電した場合でも、太陽光発電なら使用することができます。停電の際には電力の供給が止まってしまいますが、太陽光発電の場合は自立運転に切り替えることができるので、生活に必要な電気を確保することができるのです。携帯電話の充電や電子レンジ、冷蔵庫、テレビなどが使えるので災害時でも安心でしょう。また、太陽光発電は寿命が長く故障しにくくなっています。モジュールや太陽光パネルは丈夫なので、傷みや故障はほとんどありません。そのため、修理代や交換費用が多くかかるといった不安がないのです。
設置場所を選ばないのもメリットでしょう。二酸化炭素などの排出物や騒音などがないので、日射量を確保できるのならどこでも設置することができます。場所や広さなど、それぞれの環境に合わせてシステムを構築できるので効率がいいでしょう。補助金制度を使用することも可能です。各自治体で補助金制度を展開しているので、初期費用を抑えることができます。”
太陽光発電を設置するデメリット
“太陽光発電のデメリットは、発電量が日射量に左右されることです。太陽光発電は太陽の光で発電するものですから、その日射量が重要になります。日射量が少ない地域だと発電量も少なくなってしまうのです。赤道に近い地域の方が日射量は多くなるため、おおざっぱに言えば北海道や東北よりも九州や沖縄などの方が、日射量は多いと言えるでしょう。国内ならそう大きな違いはありませんが、地域によって発電量の多さは変動します。また、設置後に周辺に高い建物が建つなどして太陽光パネルに影がかかってしまうと、発電量は減るので注意が必要です。
初期費用が高いこともデメリットでしょう。普及により以前よりは安くなっていますが、それでも高額な初期費用がかかります。パワーコンディショナーなどの電気機器の交換も必要になるでしょう。導入後のメンテナンスはあまり必要のない太陽光発電ですが、電気機器や部品の交換は必要になります。そのためには費用がかかりますので、あらかじめ交換費用などを調べておくと安心です。メンテナンス費用が必要になる場合もあります。配線などに問題が生じた場合にはメンテナンスする必要があるのです。
雨漏りのリスクがあるのもデメリットでしょう。一般的な家屋には、防水シートや防水ピッチといった防水処理が施されています。雨漏りを防ぐための仕組みになっているのですが、太陽光発電を設置する際にそれらを傷つけてしまうケースもあるのです。釘や工具などで防水シートなどを破るケースも少なくはありません。雨漏りはすぐ気づかないことも多いので、被害が大きくなってしまうことも考えられます。”
太陽光発電の売電収入はいくらになるのか?
太陽光発電の売電収入を調べるには、どのような方法があるのでしょうか。シミュレーションソフトを使用する、発電量から家庭で使う電力量を引いて売電できる電力量を調べるといった方法がありますが、もっとも簡単なのは売電量に電力量をかける方法でしょう。年間の売電収入は(年間発電量)×(売電量)×(売電価格)で求められます。2017年度に設置した場合には、ダブル発電をしない場合の売電価格は1KWhあたり28円となっています。そのため、自家消費量によっても変わりますが、平均的な年間の売電収入は約15万円、10年間でみると約149万円です。
太陽光発電の設置費用のポイントは?
“太陽光発電の設置費用は気になるところです。この設置費用は、一概にいくらが適切だということは言えません。それぞれの屋根の形状や希望する発電量などによって設置費用は変動するからです。太陽光パネルの種類や周辺機器などもさまざまあり、組み合わせが多くあることからセミオーダーメイドのような形になります。そのため、100~300万円程度と設置費用には大きな開きがあるのです。そのため、太陽光発電の設置費用を見る時には、平均的な金額なのかどうかを気にするのではなく、請求される費用が適切なのかどうかを気にすることが重要です。
適切な費用かどうか見極めるためのポイントとしては、何kWのシステムなのかを把握しておくようにしましょう。目安のシステム単価は、1kWあたり40.5万円となっています。工事費込みで1kWあたり41万円以下になっているかどうかを確認してみてください。この金額を大幅に超えているようなら適切な金額とは言えないので注意しましょう。設置環境や工法によっては、41万円以下で収まらないケースもあるので、不安があれば業者に相談して、詳しく説明してもらうと安心です。”
設置するなら補助金制度を利用しよう
“太陽光発電を設置するのなら、補助金制度を利用するといいでしょう。補助金を利用することで、初期費用を削減することができます。国からの補助金は終了していますが、都道府県や市町村などの自治体単位で独自に補助金を出している場合があります。自治体の補助金については、それぞれに対象や条件が変わってきますので注意が必要でしょう。交付条件だけでなく、補助金額も「1kWあたりの金額」や「1件あたり定額」といったように自治体ごとに違います。太陽光発電で利用できる補助金の有無については、住んでいる地域の役所に問い合わせて、交付条件や補助金額の計算方法などをしっかりと調べておくと安心です。
また、申請方法も自治体ごとに変わってきます。手続きの流れ自体は似通っているところが多いのですが、必要な書類や申請期日などが異なっている場合もありますので、それらの確認も忘れないようにしてください。検討中の太陽光発電システムが補助金の対象なのかも確認が必要です。代理店や専門の業者に代行を依頼する方が確実ではありますが、代理人による申請を認めていない場合もあります。その場合には、必要書類や申請書類のチェックなどを業者にお願いしておくと安心でしょう。”
太陽光発電に必要な設置面積
“太陽光発電は日射量があるのならどこでも設置することが可能なのですが、必要な設置面積があります。ソーラーパネルを設置できるスペースを確保しなければいけません。一般的に多いのは屋根への設置になるでしょう。住宅用の太陽光発電の場合には3~5kW程度の規模でソーラーパネルを設置することが多いです。この場合の必要設置面積は18~30㎥になります。家庭で使うのではなく、発電した電気を全量売電したいという場合には、10kW以上のソーラーパネルを設置しなければいけません。この場合には、60㎥程度の面積が必要になるためより広いスペースを用意することが求められます。
住宅用なら基本的には屋根に設置することの多いソーラーパネルですが、屋根でなくても条件を満たしていれば設置することが可能です。敷地内に十分な土地があって、設置条件を満たしているのならその土地へ設置できます。どちらにしても、設置する場所の面積に収まるパネルのサイズでないと設置することはできないので、どのくらいのスペースがあるのか確認しておきましょう。”
太陽光発電を設置する際の流れ
“太陽光発電を設置する流れを見ていきましょう。まずは、太陽光発電を設置できるかどうか、調査・見積もりを業者に依頼します。設置できるかどうかの判断は素人では難しいので、業者に依頼して調査をしてもらいましょう。どのくらいの発電量が希望なのかによって、設置場所や面積は変わってきますので、ある程度のプランを考えておいたり自宅の設計図面や検針票を準備しておいたりするとスムーズです。設置できるようなら見積もりを出してもらって、金額が適切かどうかを見極めましょう。
適切な金額だと納得できたら契約をします。契約内容や発電シミュレーション、補助金や手続き、アフターフォローなどについてしっかりと確認してから契約するようにしてください。契約をしたら施工が始まります。設置するための工事は大きく分けて2つで、太陽電池モジュールなどの機器設置工事、取り付けた機器の電気配線をする電気配線工事があるのです。太陽光発電の施工は早くて1日、長くても3日程度で終わるでしょう。設置が完了したら竣工検査が行われて、引き渡しという流れになります。引き渡しの際に機器の取り扱いについては説明されることになるので、安心です。”
太陽光発電を設置するための業者選びのポイント
“太陽光発電を設置するにあたって、業者選びは重要なポイントになります。どのようなポイントを押さえて選べばいいのでしょうか。まずは、安さだけで判断しないことが大切です。太陽光発電システムは高い買い物ですから、ついつい価格だけを見て業者を選んでしまいがちです。安い業者が悪いということではないのですが、安さだけに目を取られるのは危険です。太陽光発電は設置してからがスタートですから、値段だけではなくしっかりと業者について調べることが重要になります。
どのような点について調べた方がいいのかというと、施工実績について見てみるといいでしょう。施工実績が多いということはそれだけ、経験が豊富にあります。太陽光発電を設置する場合には、雨漏りなどの危険性もありますからできるだけ実績があって、多くの現場を経験している業者を選んだ方が安心です。
現地調査や発電シミュレーションをしてくれているかも判断のポイントになります。太陽光発電ではどのくらい発電できるのかが重要になりますが、それを予測するために発電シミュレーションを行うことが通常です。より正確にシミュレーションするためには、現地調査をして屋根の形状や日当たり具合、方角などを確認することが求められます。そのため、この現地調査をしっかりと行っている業者の方が、正確な発電シミュレーションになるのです。
アフターサービスやメンテナンスについても確認しましょう。太陽光発電はメンテナンスの必要があまりないシステムですが、定期的な点検や洗浄をすることで太陽光発電を安心して維持することができます。設置して終わりではなくて、設置した後の対応がしっかりしている方が安心です。疑問点や不安なことを相談できる環境があることも大切なので、アフターフォローに力を入れている業者を選ぶようにするといいでしょう。”
太陽光発電の設置で注意すべきこと
“太陽光発電の設置で注意すべきことは、初めから1つの業者に絞り込まないことです。いい業者を選ぶためには、いくつかの業者で見積もりを取って比較検討することが大切です。料金や設置方法、アフターサービスなどをしっかりと比較することで、より適切な業者を選べるので1社だけではなく、複数の業者で相見積もりをしましょう。発電量予測を業者に出してもらうことも大切です。予測発電量を下回った場合には保証される場合もありますので、契約内容を見ておくといいでしょう。
施工保証の有無についても確認しておいてください。施工ミスによる雨漏りなどの場合に無償修理や被害補償が受けられないということだと、困ったことになってしまいます。そのようなことを避けるために、施工保証があるのかどうかの確認は必須です。自然災害補償があるかどうかについても確認しておきましょう。落雷やトップなどによる飛来物でパネルが破損することも考えられます。その際の対応はどうなっているのか、契約書の確認をしておいてください。”
まとめ
設置費用や補助金制度の利用、どの業者を選ぶのかによって太陽光発電の設置がお得になるかどうかが変わります。よりお得に設置するためにも、コストが適正かどうかを重視しながら、業者に依頼をしてみるといいでしょう。
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