愛知県名古屋発!全国対応の太陽光発電
ヒラソルの施工実績がどんどん増加中!
現在
1954
愛知県名古屋発!全国対応の太陽光発電
ヒラソルの施工実績がどんどん増加中!
現在
1954

ヘテロ接合太陽電池とは?メリットとデメリットを解説

異なるシリコンによって構成されているヘテロ接合太陽電池は、結晶シリコン型の太陽電池に比べてメリットが多いことで注目されています。結晶シリコン型では多かった、電流を抑制してしまうダメージが少ないのも特長の一つです。これにより、電力変換効率が高く、多くの発電量に期待できるメリットがあります。研究開発も盛んになってきているヘテロ接合太陽電池について、種類や仕組み、メリットなどを見ていきましょう。

ヘテロ接合とは一体何?

“ヘテロ接合とは、性質の異なる物質同士を接合することです。ヘテロとは英語の「hetero」で、日本語訳では「他の、異なった」という意味を持っています。太陽光電池には数々の種類がありますが、中でも最も古い種類の太陽電池が単結晶シリコン太陽電池です。同一の結晶構造を持つ半導体同士をつなぎ合わせているのが特徴で、シリコンの能力を活かしやすくなっています。ただし、高温の場所では変換効率が低くなるのがデメリット。これに対してヘテロ接合太陽電池は、異なる性質のシリコンがお互いの欠点を補完しあえるのがメリットです。高温になりやすい夏場でも変換効率が高いことに期待されています。

ヘテロ接合型太陽電池は、通称HIT太陽電池と呼ばれています。「Heterojunction with Intrinsic Thin-layer」の頭文字を取った言葉で、n型単結晶シリコン半導体の両側にアモルファスシリコン半導体が張られているイメージを想起させます。多結晶シリコンや単結晶シリコンなどの結晶シリコン型太陽電池モジュールではn型シリコンにp型シリコンが張られた構造ですから、ヘテロ接合太陽電池のほうがより複雑になっているのがわかります。”

太陽電池にはどのような種類がある?

“太陽光発電システムに欠かせない役割を果たしている太陽電池には、様々な種類があります。一般的な太陽電池として普及しているのが、pn接合型太陽電池です。電磁波に光エネルギーを吸収させる光励起(れいき)の働きとシリコンの性質を利用し、エネルギーを持った電磁波を電力に変化させるのです。シリコン系太陽電池や化合物系太陽電池は、pn接合型にあたります。シリコン系太陽電池とひと口にいっても、構造や形態によって太陽電池の種類は多彩です。シリコン系と化合物系に分けて、主な種類を紹介します。

シリコン系
・単結晶シリコン型
高純度シリコン単結晶ウエハをシリコン基板として用いている太陽電池です。最も古くからあるタイプで変換効率の高さにも信頼が置かれているものの、コストが高くなりがちです。

・多結晶シリコン型
単結晶がいくつも集合している形態で、コストパフォーマンスの高さを備えた太陽電池です。コストを抑えられる理由として、他のシリコンの製造過程で生じた端材などを再利用できることが挙げられます。

・アモルファスシリコン型
結晶シリコンに比べるとエネルギーギャップが高く、高温時にも出力が低下しにくい太陽電池です。ただし光劣化しやすく、電力変換効率は期待するほどでもありません。

・薄膜シリコン型
薄いシリコンを用いて、生産時に必要なエネルギーやコストを抑えた太陽電池です。

・ハイブリッド型
結晶シリコンとアモルファスシリコンを重ねた太陽電池で、HIT太陽電池のことです。シリコンの使用量を減らしたり、両面で採光することもできます。

・多接合型
吸収波長域が違うシリコンを重ねた太陽電池で、アモルファスシリコンと結晶シリコンの接合タイプなど様々な種類が開発されています。効率もよく、優秀な温度特性を持ったものが多数です。

・球状シリコン型
無数の球状シリコン粒子と凹面鏡を組み合わせた太陽電池で、少ないシリコン使用量で高い電力変換効率を出せるのがメリットです。

化合物系
・CIS系太陽電池
カルコパイライト系の化合物が使用され、材料のバリエーションが豊富なことから様々なシーンで活用しやすいのが特徴です。大面積や量産にも適していて、カスタマイズのようなフレキシブルな対応もできます。モバイルに搭載できるほどの小ささでも、大量の電力を作れる高効率です。

・CZTS太陽電池
めっきで表面処理を施したCZTSは、材料が安価で手に入りやすいのが特徴です。電力変換効率も、11.1%に達したとの研究結果が出ています。

・CdTe/CdS系太陽電池
テルル化カドミウム薄膜を用いて、環境負荷の低い太陽電池に仕上げています。欧米では実用化されており、日本での実用化にも期待されています。”

太陽電池にヘテロ接合を取り入れる理由とは

ヘテロ接合を利用した太陽光電池は、HIT太陽電池とも呼ばれています。三洋電機が開発し、後に三洋電機を吸収合併したパナソニックが製造・販売しています。異なる種類のシリコンを組み合わせて作っていることから、シリコンごとのメリットを活かしたうえにデメリットを補い合えるのが最大の特長でしょう。同一の結晶構造を持ったシリコン同士をつなぎ合わせると、接合面で生じた欠陥が電力変換効率を下げかねません。このデメリットをクリアできるのが、ヘテロ接合太陽電池です。エネルギーの変換効率が高いことから発電量が増加し、高温環境での発電量の低下を防ぐ力も持っています。

ヘテロ接合太陽電池の仕組みとは

ヘテロ接合太陽電池の特徴といえば、特性が異なる材料を結び付けている点です。シリコン系太陽光電池の一種で、すでに実用化もされています。単一の材料を結び付けた太陽電池との違いは、材料の持つデメリットを2つの材料がお互いに補い合えることです。構造としては、n型単結晶シリコン半導体の両面にp型やn型のアモルファスシリコンが張り合わされた形となっています。

ヘテロ接合太陽電池のメリット1.変換効率が高い

“ヘテロ接合太陽電池には、いくつものメリットがあります。その1つが、電力変換効率の高さです。一般的な多結晶シリコン型の電力変換効率は、14%程度。これに対して、ヘテロ接合太陽電池は高ければ19%程度を出すこともできます。なぜ結晶シリコン型の太陽電池の変換効率が劣るのかといえば、接合面に欠陥や破損などのクラックが生じやすいからです。クラックが生じると、電気の流れが抑制されてしまいます。その点、ヘテロ接合太陽電池はクラックが少なく、スムーズに電気が流れるのがメリットです。

結晶シリコンは、太陽電池の材料として最も多く使われています。アメリカで1955年に開発され、その後は世界中で研究が盛んになっています。太陽電池の普及に向けて大面積化や低コスト化などの量産技術が研究されてきたことから、結晶シリコン型の太陽電池の変換効率を超えるものはなかったほどです。しかし、結晶型シリコン太陽電池の変換効率には技術的な限界があります。そのため発展し始めたのが、ヘテロ接合技術です。”

ヘテロ接合太陽電池のメリット2.一日の発電量が多い

ヘテロ接合太陽電池のもう1つのメリットが、一日の発電量の多さです。ヘテロ接合太陽電池では、低反射ガラスが使われています。このガラスは太陽光の反射率が高く、光を逃しにくいのが特長です。より多くの採光ができれば、高い発電量に期待できます。日射量が高い日や時間帯はもちろん、早朝や夕方などの日射量の少ない時間帯でも発電できるのは画期的です。さらに、ヘテロ接合太陽電池では表面だけでなく裏面からの採光もできます。つまり両面から太陽光を採り入れることができるわけで、効率が高くなるのも当然です。表面に太陽光が当たらない時間でも、裏面に光が当たることで発電が可能になります。一日の発電量を高めることは、太陽光発電の大きな課題の一つです。この課題のハードルを低くしてくれたのが、ヘテロ接合太陽電池です。

ヘテロ接合太陽電池のメリット3.高温時でも出力低下リスクが少ない

“ヘテロ接合太陽電池の3つめのメリットは、高温時の出力低下リスクが少ない点です。世界的に温暖化が進み、夏場には異常な猛暑が例年訪れるようになっていますが、従来の結晶型シリコン太陽電池は高温に弱いというデメリットがあります。高温にさらされると、電力変換効率が落ちて発電力が減ってしまうのです。電流と電圧が関係する電力は、温度が上がると電流も上がる反面、電圧が圧倒的な勢いで下がってきます。そのため、発電効率が落ちてしまうのです。

国際的に定められた基準として、ソーラーパネルの性能を測定するときの温度は25度とされています。25度が、ソーラーパネルの電力変換効率を最大限に活かす温度だと考えられているのです。外気温ではなくソーラーパネルの表面温度が25度を超えると、発電量が低下してきます。日射量があるのに電力変換効率が悪い場合は、高温が関係しているかもしれません。ヘテロ接合太陽電池では、高温に弱い結晶型シリコンと熱に強いアモルファスシリコンを使用しています。これが、高温環境でも発電量が低下しにくいメリットにつながっています。”

ヘテロ接合太陽電池のデメリット

“いくつものメリットを備えているヘテロ接合太陽電池ですが、一方ではデメリットもあります。研究が盛んにおこなわれているHIT太陽電池のことですから、将来的にはデメリットを克服する可能性もあるでしょう。しかし現状では、製造コストがかかるあまりコストパフォーマンスに影響が出てしまっているのが難点です。原因となっているのが、製造工程の複雑さです。ヘテロ接合太陽電池では、2つの異なる性質を持ったシリコンが組み合わされています。単結晶シリコンの基盤の両面に、i型アモルファスシリコンが重ねられている構造です。さらにその上には、p型とn型のアモルファスシリコンが重ねられています。何層にもなった構造は製造が複雑になり、コストが上がらざるを得ません。

とはいえ、単位面積あたりの発電量は、結晶型シリコン太陽電池よりもヘテロ接合太陽電池のほうが優れています。長い目で見れば、結晶型シリコンよりもヘテロ接合のほうがメリットが多いということです。せっかく日射量が十分にある場所で太陽光発電を始めたり、日射量を得るための工夫をしてソーラーパネルを設置したにもかかわらず、発電量が期待したほど得られないのではやり切れません。高熱に強いなどの特性を持っていることからも、コスト面での問題には目をつむるのも一案です。”

開発や進化が進むHIT太陽電池

“HIT太陽電池は、従来の太陽電池の問題点をクリアする可能性が注目されています。そのため世界中で研究が盛んになっており、日本でも開発や進化に期待されています。HIT太陽電池が太陽電池の全てではありませんが、注目されている技術には宇宙や産業用など使用範囲が限られているものもあるのです。そんな中で、広く実用化されている日本のHIT太陽電池は、知名度も高く実力のあるパナソニックが製造・販売を受け継いでいます。研究面でも、大きな結果を残してきています。

2013年には、HIT太陽電池で24.7%もの電力変換効率をパナソニックが達成したと報告されています。研究レベルでの結果とはいえ、従来のHIT太陽電池の変換効率を上回る数値が得られたのは大きな成果です。それまでの変換効率の過去最高値は、23.9%でした。さらに0.5%上げてきたアメリカのサン・パワー社が24.2%の結果を出していましたが、世界最高変換効率を0.8%上げてパナソニックの研究結果が世界最高に躍り出たのです。もちろんメーカー自体の成果としても誇れることですが、HIT太陽電池の将来がさらに明るくなったことにも注目する必要があります。

実は、パナソニックが24.7%の変換効率を達成した研究では、太陽電池セルの厚みが98マイクロミリにされていました。これは、量産されている200マイクロミリのHIT太陽電池に対して、半分以下の薄さです。使用するシリコンウエハの厚みを減らせれば、コストを抑えることができます。電力変換効率を上げるだけでなく、より低コストのHIT太陽電池を生み出すための研究でもあったパナソニックの成果は高く評価されています。”

まとめ

“現状では、製造コストが高くなるというデメリットを持っているHIT太陽電池。しかし、発電効率が高いことを考えれば、将来的に大きな期待が持てます。コストを抑える研究も進められていますし、さらなる発電効率の高さを狙う研究も盛んです。世界中で競い合うように研究がおこなわれている分野ですから、今後は従来型の太陽電池よりも需要が高まる可能性があります。太陽光発電の導入を検討し始めたとき、太陽電池の種類に何を選ぶかに行きあたるでしょう。そのとき、どのような種類の太陽電池があるかを理解しているのと何も知らないのとでは結果に大きな違いが出てきます。少しでもお得な太陽光発電の導入を目指したいなら、太陽電池の種類ごとのメリットやデメリットは抑えておくことが大切です。

また、太陽電池の中にも最も普及している種類があり、さらに研究が進められている将来性の高い種類があることを知っておくことも重要です。ソーラーパネルは、一度取り付けると10年や20年といった長いつきあいになります。HIT太陽電池とその他の太陽電池を比べて、長い目で見れば安い買い物になりそうなほうを選ぶか、今コストを抑えて他のデメリットを引き受けるか、慎重に検討してみてください。”

他にも読まれている記事

いつでもお気軽にお電話ください

0800-600-1110 メールで問い合わせる

いつでもお気軽にお電話ください

0800-600-1110 メールで問い合わせる