“2011年3月の原発事故以降、太陽光発電への関心が高まり、多くのメディアで取り上げられるようになりました。太陽光発電やソーラーパネルといった言葉を日常生活でよく耳にすることも増えたのではないでしょうか。しかし、ニュースや新聞で目にして、なんとなく知っているけれど、ソーラーの意味がよくわからないという人も多いはずです。
この記事では、ソーラーの意味や太陽光発電とソーラーパネルの関係について詳しく解説していきます。”
ソーラーってどういう意味?
“ソーラーという言葉には、「太陽の熱や光を利用した」という意味があります。まさに太陽光発電にはぴったりの言葉です。言葉の由来は、イギリスの中世住宅に設けられていた「ソラリウム」という日光浴室からきています。
単体でソーラーと使うことは少なく、ソーラーシステム・ソーラーカー・ソーラーパネルなど複合語の形で用いられるケースが多いです。”
ソーラーパネルの意味とは?
“ソーラーパネルとは、太陽光発電に利用されているパネルのことです。家の屋根についているのを見かけたことがある人も多いのではないでしょうか。ソーラーパネルは、太陽電池パネル・太陽電池板・太陽電池モジュールとも表現され、大型なものから小型なものまで用途に合わせて豊富なカタチが開発されています。
一般的に電気を利用する際は、電池や電線が必要です。電池はエネルギーが尽きると交換しなくてはいけませんし、電線は感電の可能性があり赤ちゃんやペットのいる家庭では少し心配でしょう。
しかし、ソーラーパネルを設置すれば、電池や電線がなくても太陽光によって発電することが可能です。手間や安全性はソーラーパネルを利用する太陽光発電が他の発電方法より一歩前に出ています。
ソーラーパネルは、主に太陽光発電システムのための大型のソーラーパネルを指しますが、小型のパネルは電卓や腕時計に用いられていることも多いです。長持ちするうえに、面倒な電池交換の手間が省けるため、ソーラーパネルのついた製品は人気があります。このように私たちの生活の様々なシーンで太陽光発電やソーラーパネルは活躍しています。”
メガソーラーの意味とは?
“1MW以上の出力がある太陽光発電システムをメガソーラーといいます。メガソーラー施設が1つあれば、一般家庭300戸分の電力が賄われるといわれるほどたくさんの電気を発電することができます。住宅用ではなく、事業向け・産業向けの太陽光発電システムです。
メガソーラー施設を設置するためには、広大な土地が必要になるため遊休地や堤防、埋立地などに設置されています。一般家庭用のソーラーパネルは屋根に設置されるものがほとんどです。しかし、メガソーラーは屋根に設置する以外にも地上に直接設置するタイプも多く作られています。
屋根に設置する際は、重量や風向きに気を付ける必要がありますが、地上に直接取り付けるタイプは、その心配はありません。ただ、伸びた植物がパネルに被ってしまったり、野生動物がパネルを破損してしまったり、車の排気ガスの油分がパネルを汚してしまったりと屋根に設置するタイプと同様、まだまだ多くの課題を抱えているのは変わりありません。
メンテナンスや取り付けは地上に直接取り付けるタイプのほうが行いやすいですが、パネルを長く使うためには屋根に取り付けるタイプのほうが有効です。”
パッシブソーラーの意味とは?
“太陽熱を効果的に生活に利用している家を「ソーラーハウス」といいます。最近では、ソーラーパネルが取り付けられている家も多くみられるようになりました。ただ、パネルのような太陽光発電専用の機械がある家だけがソーラーハウスというわけではありません。
ソーラーハウスには、パッシブソーラーとアクティブソーラーの2種類があり、どちらも太陽エネルギーを活用して住まいの空調や給湯を行う仕組みが作られています。
多くの人が家庭での太陽エネルギーの利用には、屋根にパネルをつけ、太陽エネルギーを熱エネルギーに変換する集熱装置や太陽エネルギーを温水に変える太陽熱温水器など専用の機械が必要だと思っているのではないでしょうか。
しかし、パッシブソーラーではソーラーパネルや集熱装置、太陽熱温水器といった機械類を一切使いません。どのように太陽エネルギーを活用するのだろうと疑問に思うかもしれません。
パッシブソーラーの仕組みはとてもシンプルです。そのまま自然の力と建物の構造・素材を上手く組み合わせ太陽エネルギーを生活に利用していきます。
具体的には、周囲の環境や立地を考慮し、建物の開口部を大きくする、断熱材を効果的に使うという方法です。ソーラーパネルとは全く異なった方法ですが、これもソーラーハウスの1つです。”
アクティブソーラーの意味とは?
“アクティブソーラーは、集熱装置などの機械を使って建物内の給油・冷暖房などに太陽エネルギーを利用するシステムのことです。
積極的に機械で太陽エネルギーを集めているので機械を使わないパッシブソーラーとは対比しています。一般的に想像される「ソーラーハウス」はほとんどがアクティブソーラーでしょう。ソーラーシステムや太陽光発電システムもアクティブソーラーの1つに含まれます。
もちろん機械を取り付けなくてはならないので設置費用は高額です。しかし、アクティブソーラーを利用することで光熱費を抑えることができるので、長期的に考えると節約につながります。また、たまったエネルギーを売ることも可能です。
こうした、アクティブソーラーを設置した住宅のことをアクティブソーラーハウスと呼びます。ちなみにアクティブソーラーハウスにしたのなら、同時にオール電化にすると電気代以外にもガス代も節約できます。”
ソーラーパネルの仕組みって?
“ソーラーパネルは太陽電池を複数繋げたもので構成されており、大きさによってモジュールやパネル、アレイと呼び方が変化します。太陽電池の素材は、シリコン系、化合物系、有機系と3種類あり、それぞれに発電効率に違いがあります。現在の主流はシリコン系ですが、発電力や価格の安さは化合物系が有利です。ただ、化合物系は重く、屋根がその重さに耐えられないという問題点があります。軽量化や効率化をアップさせるため、日々研究が進められ化合物系や有機系の太陽電池も進化中です。
現在は世界に流通している8割がシリコン系の太陽電池ですが、化合物系や有機系の太陽電池も今後市場にたくさん出回っていくでしょう。
ソーラーパネルは、太陽光がソーラーパネルに当たることによって光起電力効果や光電効果という現象が起き、それによって太陽電池を構成する半導体の電子が反応することによって電気が生じる仕組みになっています。”
ソーラーパネルを設置するメリットとは?
“ソーラーパネルを設置するメリットはたくさんあります。
まず、当たり前ですが、光熱費を抑えることが可能です。2018年、電力自由化により電力会社の多くが電気代の値上げを行っています。そんななか、ソーラーパネルを設置し、自宅で電力を作り出すことができれば、高い電気代を払い続ける必要がなくなります。なんといっても自分の家で作られた電気は無料です。
また、使い切らなかった電気は電力会社に売電することができます。太陽光発電は、家の電気代を賄えるだけではなく、家計のプラスになるかもしれません。
さらに、停電時にも電気が使えるのが太陽光発電の強みです。災害が多い日本だからこそ、電力会社の電気だけではなく自分の家に発電機を持っているともしもの時に安心して過ごすことができます。晴れの日よりも発電量は低下してしまいますが、雨・曇りの日でも発電可能です。
初期費用が高額なぶんメリットも多い太陽光発電ですが、ソーラーパネルの故障やメンテナンスなど維持費用も高額なのではと心配になるものです。しかし、ソーラーパネルの故障は実はほとんどありません。パネルが壊れる原因は鳥のフンや落ち葉をパネルに放置し、発熱してしまうというケースです。パネルは発電中は熱くなってしまうので落ち葉や鳥のフンには注意してください。ただ、このケースも稀な出来事です。屋根の上に設置されていると手入れが大変ですが、たまに整備してあげれば、こうした故障のリスクも低くなります。
ソーラーパネルは、経年劣化が緩やかなため、長く利用することが可能です。また、ほとんどのソーラーパネルには10年間の無料保証がついてくるので安心して利用してください。ソーラーパネルは高い買い物なので、10年間の無料保証が切れた後の有料保証もぜひ検討してみてください。
現在、原子力発電や火力発電で日本のほとんどの電気は賄われています。原子力発電は人体に悪影響を及ぼす放射線を放ち、火力発電は排気ガスやCO2を排出し地球温暖化を進めていきます。私たちの生活に電気はなくてはならない存在です。しかし、原子力発電や火力発電のデメリットはとても大きなものといえます。一方、太陽光発電は、放射線も排気ガスもCO2も排出しない地球に優しいエネルギーです。地球と人に優しい電気を作れるのは、太陽光発電の1番のメリットといえます。”
ソーラーパネルを設置するデメリットとは?
“ソーラーパネルの設置には、もちろんデメリットも伴います。
初期費用が高額であるのは、ソーラーパネル設置の最大のデメリットです。太陽光発電に踏み込みたいけれど、初期費用が高すぎて手が出せないと諦めている人も多いでしょう。パネルの大きさや枚数、地方自治体の補助金の有無によって変わりますがソーラーパネルの設置には、約100万~200万の初期費用が必要になります。しかし、すぐに諦めるのは決断が早すぎます。
家庭の電気を太陽エネルギーで賄い、順調に売電を行っていけば約10年で元が取れるはずです。日射量にもよるので、一概には言えませんがソーラーパネルによって未来の家計が潤う可能性も大いにあります。
売電を行うには安定した発電量が必要です。そのためには、ソーラーパネルにより長く、よりたくさんの太陽の光を当てなくてはいけません。しかし、天気は自然の力なのでコントロールすることは不可能です。また、設置当時はパネルの全面に日が当たる場所だったのに、新しい建物でパネルに影が落ちてしまうと発電量が不安定になってしまいます。何年後、どこに新しい建物ができるのかということは誰にも予想することはできないので仕方ありません。そうした、アクシデントも視野に入れて検討しましょう。
パネルの故障はなかなかないことではありますが、一緒に設置されている他の機械には、定期的なメンテナンスが必要なものも当然あります。そういった機械のメンテナンス費用についても見積もりの際にしっかりと確認をしておきましょう。知らずに設置してしまうと、予想外の出費が出てしまい、元をとるのが難しくなってしまいます。
また、屋根にソーラーパネルを取り付けると雨漏りのリスクがあります。正確に言うと、正しい知識と技術力を持っていれば雨漏りすることはありません。しかし、知識もなくいい加減な工事をすると屋根を傷つけてしまうので雨漏りにつながる可能性は捨てきれないということです。取り付け会社はしっかりと実績のある会社を選びましょう。”
ソーラーパネルの設置のポイント
“住宅用の場合、住宅の屋根の上に設置するのが一般的です。
設置するうえで考慮しなくてはいけないポイントがいくつかあります。太陽がきちんと当たる場所なのか、高い建物で遮られない場所か、南向きに設置できるか、パネルの重さに屋根は耐えられるのかなどです。屋根に設置出来ない場合は、遊休地に設置することもできます。
ソーラーパネルの設置に必要な面積は3~5kWの場合は18~30平方メートル程度必要、10kW以上の場合は60平方メートル以上必要です。一般家庭で使われているのは3~5kWのもので、屋根に設置する場合も場所を確保しやすい大きさです。売電に力を入れたいなら10kW以上が無難ですが、必要面積が広すぎるため一般家庭ではなかなか設置が難しいかもしれません。まずは、自分の家にパネルを置けるスペースがどれくらいあるのかを調べてみるといいでしょう。”
まとめ
“今回は日々、メディアでなんとなく流れているソーラーという言葉について紹介してきました。太陽光発電はメリットがたくさんありますが、デメリットも存在します。もし、自宅でソーラーパネルの導入を検討しているのなら、メリット、デメリットの他にも、ソーラーやソーラーパネルの意味を知ったうえで太陽光発電システムを取り入れるかどうかを検討してみましょう。
高い買い物になりますので、疑問や不安がなくなるまで業者の人に相談に乗ってもらってください。また、製品自体はどこの会社も同じように大きな会社から仕入れているものなので、施工の実績がある業者を選ぶと失敗しないでしょう。”
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