エコな発電として知られる太陽光発電は、全国で普及が進んでいます。太陽光発電でよく話題になるのが、メガソーラー用地です。「メガソーラー用地」はニュースやサイトの記事にもたびたび登場しますが、正確な意味を知っていますか?このキーワードは少し専門的な用語であるため、一般の人にとっては少しわかりにくいかもしれません。ここでは、メガソーラー用地の特徴や活用のメリットについてご紹介していきます。
メガソーラー用地って何?
“メガソーラー用地は、太陽光用地の一つです。太陽光用地は太陽光発電を行うための土地であり、発電に適した条件を備えているのが特徴です。メガソーラー用地の場合、メガソーラーという太陽光発電システムを設置して発電を行います。メガソーラーとは、1MW以上の出力を持つ大規模な太陽光発電システムです。このようなシステムを設置するメガソーラー用地は、一般的な太陽光用地以上の十分な土地面積が必要です。メガソーラー用地に該当するのが、例えば、広い空き地や休耕地、埋立地などです。
こういった土地はメガソーラーのシステムを設置しやすく、大規模な太陽光発電を行うのに最適な条件を備えています。再生可能エネルギーの固定価格買取制度がスタートしたことで、メガソーラー用地に注目する自治体も多く見られるようになりました。民間企業とタイアップをしながら、自治体がメガソーラー用地の活用に力を入れるケースも増えている状況です。土地を持つ人と企業のマッチングを行う自治体も出始めています。”
メガソーラーが設置可能な地目
“メガソーラーが設置できる土地の地目としては、雑種地や原野、山林などが挙げられます。こういった土地は、メガソーラー用地として利用するときに許可申請などがとくに必要ありません。システムを設置すればすぐに太陽光発電をスタートできるため、メガソーラー用地に利用しやすい土地です。宅地の場合も、やはり許可申請は必要なく、太陽光用地としてすぐに活用ができます。ただ、宅地は雑種地や原野、山林と比べて固定資産税が高くなるのが一般的です。また、メガソーラーを設置できるだけの広さがない場合が多く、発電をスタートするのが現実的に難しいケースもあります。
田や畑などの農地も、十分な敷地面積があればメガソーラーのシステムを設置できないことはありません。しかしながら、農地をメガソーラー用地として使う際には、まず農地転用の申請を自治体の農業委員会で行う必要がでてきます。農地を転用するにはいろいろな条件を満たす必要があるため、許可を得るまでに少し時間がかかるのが農地の場合です。状況によっては、許可が下りないケースもあります。”
メガソーラー用地として求められる条件
“メガソーラー用地には、いくつか求められる条件があります。例えば、1MW以上の太陽光発電システムを設置できるだけの十分な広さがあることは、メガソーラー用地に不可欠な条件です。ある程度の発電量を確保できない土地は、大規模なメガソーラーを設置してもお金をかけただけの収益が得られません。どのくらいの電気が作れるかは、メガソーラー用地ではとくに重要になる点です。周りに障害物がない、日当たりがよいなども、メガソーラー用地の条件の1つです。実際、東や西側に高層の建物や山があると、日光が遮られて十分な日射量が確保できなくなります。
太陽光発電システムのパネルは南向きに設置することが多いため、障害物がある方角によっても日射量は多少変わってきます。発電量を下げるような落ち葉や降雪がないことも、メガソーラー用地の条件です。樹木が多い山林などは、落ち葉が発電の障害になることも少なくありません。毎年10センチ以上の雪が積もる地域も、メガソーラー用地には余り向かないと言えます。雪がパネルを覆うと、やはり発電に影響を与えます。このほか、整地のコストが小さいことや電柱が近くにあることも条件に挙げられるでしょう。メガソーラーのシステムを設置するには、一定のコストがかかります。
土地を整地するとさらに初期費用の負担が増えるため、場合によっては採算があわなくなることも考えられます。また、発電した電気は送電設備を経由して運ぶことになるため、近くに電柱があれば便利です。電柱を新たに設ける費用は自己負担をする必要がありますが、電柱が最初からあればこのような負担は不要になるでしょう。”
メガソーラー用地の坪単価はいくら?
“メガソーラー用地は、売買する際の坪単価がやや高くなります。例えば、300坪から500坪程度の土地をメガソーラー用地として売る場合、坪単価はだいたい5,000円から8,000円程度です。郊外にある雑種地や原野、山林などは、このレベルの坪単価で売るのはなかなか難しいのが現状です。メガソーラー用地として使える土地であれば、買い手がつきやすくなるのはもちろん、高い金額で売れる可能性があります。ただ、こういった場合も、坪単価は土地のサイズやエリアによって多少変わってきます。
「日当たりのよさ」などの条件で坪単価が変わることも多く、一般の土地とは金額の決まり方が少し異なるのがメガソーラー用地の特徴です。土地を購入する事業者は、将来どのくらいの収益が得られるかを試算したうえで売買価格を提示することが多いです。このようなメガソーラー用地は、土地の条件が良ければ坪単価が1万円以上になるケースもあります。その土地がどういった条件を備えているかは、メガソーラー用地の価格を分けるポイントと言えるでしょう。”
メガソーラー用地を売却する側のメリット
“メガソーラー用地として土地を売る場合、利用していない土地を有効的に活用できる点は1つのメリットと言えます。雑種地や原野、山林の場合、使い道がないと悩んでいる所有者も多く見られます。農業をやっていない家庭では、畑や田なども持て余してしまうことがあるでしょう。このような遊休地も、メガソーラー用地としてなら活用できる可能性があります。メガソーラー用地は需要が高いため、地目の平均的な取引価格よりも高く売れるケースが多いです。購入を希望する人が多いことから、売却までの期間が短く済む点もメリットです。
雑種地や原野、山林などは、実際に売れるまで時間がかかることもあります。人気がない土地は長期間買い手がつかないケースもあり、遊休地をスムーズに活用できずに困っている人は少なくありません。メガソーラー用地の場合は、このような問題に遭遇する可能性も低くなります。太陽の光や熱といった自然エネルギーを使って発電する太陽光発電システムは、エコな発電として注目されています。自分が売った土地を活用して地域貢献や社会貢献ができる点も、メガソーラー用地を売却する側のメリットになるかもしれません。”
メガソーラー用地を売却する側のデメリット
“メガソーラー用地は、契約をしても必ず売れるとは限らないのが1つのデメリットです。メガソーラー用地の場合、実際にシステムを設置して発電ができるかどうかが重要になってきます。このような条件がそろわないと、たとえ契約をしても途中でキャンセルといったことがあるので注意が必要です。太陽光発電のために土地を買う企業や事業者は、契約のときに停止条件を付加することがあります。停止条件がある場合は、キャンセルの可能性がある点を心得ておかなければなりません。
また、長期的な視点で考えた場合、土地を売る側は自分で売電する場合よりもリターンが小さくなります。継続的な収入が得られない点も、メガソーラー用地を売却する側のデメリットになるでしょう。土地を売ると売主には一時的にお金が入ってきます。しかしながら、売った後の売電収入は受け取れません。メガソーラー発電が軌道にのった場合でも売主は利益を享受できないため、少し損をしたような気分になる可能性があります。”
メガソーラー用地で太陽光発電をする側のメリット
“広い土地で太陽光発電ができることは、メガソーラー用地で発電を行う場合のメリットです。設置するシステムの規模が大きければ、高い売電収入が見込めますので、発電をする側のメリットは大きくなるでしょう。順調に売電収入が得られれば、最初に支払った初期費用もいずれ実質的な負担がゼロになる可能性があります。場合によっては、コストをかけた以上の利益が得られるのが、メガソーラー用地で太陽光発電を行う側のメリットと言えます。
太陽光発電は、固定価格買取制度ができたことで安定的な収入が期待できるようになっています。日本政策金融公庫の環境・エネルギー対策資金による融資を受けられるなど、自治体や政府の制度を利用できるケースも増えている状況です。また、太陽光発電には税制面のメリットもいろいろと用意されています。バックアップ制度を上手に活用して継続的な収入が見込める点は、メガソーラー用地で発電をする大きなメリットです。”
メガソーラー用地で太陽光発電をする側のデメリット
“メガソーラー用地で太陽光発電を行う側のデメリットは、いろいろな費用が発生することです。例えば、土地を整地するためのコストは予想以上に大きな負担になる可能性があります。傾斜のある土地などは造成の費用も高額になる恐れがあり、しっかりと試算をしておかないと後から後悔することにもなりかねません。また、システムを設置してからのコストも考えておく必要があります。太陽光発電システムは、定期的にメンテナンスをするのが基本です。専門の業者に依頼してメンテナンスや点検を行うと、その都度手間や費用がかかります。
膨大な数の太陽光モジュールを設置するメガソーラーのシステムは、故障している場所を発見するのが少し難しいという特徴があります。トラブルが起きたときに、予想以上にコストがかかることがあるのもデメリットと言えるでしょう。太陽光を利用するメガソーラーは、日ごとの発電量が不安定なこともデメリットになってきます。太陽光発電の場合、実際にどのくらいの電気が生産できるかはそのときの天気次第です。メガソーラーはこのような天気の影響は比較的少ないと言われていますが、それでも予想を裏切る状況に遭遇する可能性はゼロではありません。安定した電気を確保できる保証がない点は、事前に承知しておいたほうがよいでしょう。”
土地を貸すのと太陽光発電を設置するならどちらが良い?
“メガソーラー用地になりそうな土地をもっている場合、どのような方法を選択するのがベストかはケースバイケースです。将来的に大きなリターンを狙いたいときには、その土地をメガソーラー用地として利用して太陽光発電をするのもよい方法になるでしょう。企業などに土地を貸してメガソーラー発電を行う場合は、交渉次第で貸主も売電収入の一部を得られるかもしれません。システムを設置するだけのコストを自分で負担できないときには、メガソーラー発電をする業者に土地を貸すのも1つの選択です。
一方、土地や太陽光発電設備のメンテナンスを続けるのが難しいと感じるなら、メガソーラー用地として思い切って売却する方法もあります。この場合、売電収入は得られませんが通常よりも高く土地を処分できるというメリットがあります。メガソーラーの太陽光発電設備を設置できる費用が手元にある人は、第三者を通さずに自分で太陽光発電をしたほうがメリットを享受できる可能性が高いでしょう。初期費用を全額自己負担すると、後に得られる売電収入もすべて自分の懐に入ってきます。メンテナンスなどをしっかりと行っていけば、長期的に安定収入が得られるでしょう。”
まとめ
“ご紹介したように、メガソーラー用地は、一般の住宅用より規模の大きな太陽光発電システムを導入する場合に必要になる太陽光用地です。メガソーラー用地で行う太陽光発電は、屋根にシステムを設置して行う住宅の太陽光発電とは期待できるメリットやデメリットが大きく異なります。適した条件も違うため、その都度向き不向きを十分に考える必要があるでしょう。条件にマッチする広い土地があり、なおかつ初期費用もすぐに用意できる状況であれば、このようなメガソーラー用地での太陽光発電を検討してみるのも1つの手です。太陽光発電のデメリットを踏まえたうえであれば、思い切って着手したとしてもリスクの管理がしやすいでしょう。
いずれにしても、将来的に太陽光発電をしたいと考えているときには、早めに初期費用や期待できる売電収入の概算を調べておくのがベストです。太陽光発電をサポートする企業では、システムを導入する費用の紹介や太陽光発電についての情報提供を行っています。専門的な情報を得たいときには、こういった太陽光発電に詳しい業者に相談をしてみるのも合理的な方法になるでしょう。メガソーラーなどの太陽光発電は、高額な費用がかかります。したがって、あらゆる点から良し悪しをチェックして慎重に選択をしていくのが失敗を避けるコツです。”
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