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太陽光発電を導入するなら太陽光発電用ブレーカーについて学ぼう

太陽光発電システムを設置する際には、必ず必要になるのがブレーカーです。漏電を防いだり電気を使い過ぎないように遮断したりと、安全に便利に電気を使うために重要な役目を果たしています。役割によって種類が異なるブレーカーは、万が一のトラブル時に正しく対処することも大切です。注意点なども含めて、ブレーカーについて学んでおきましょう。

そもそもブレーカーとはどんな働きをする?

“電気が通っている建物なら、必ず備わっているブレーカー。基本的な役目は電気の流れを遮断することで、この働きにより電気の使い過ぎや漏電を防ぐことができます。いわばリスクヘッジ装置ともいえる機器で、ブレーカーという名称も電気をbreak(遮断)するという意味からきています。電気を使っていると、突然ブレーカーが落ちる体験をしたことがあるでしょうか。これは、漏電の危険がある、あるいは電気を契約アンペア以上に使い過ぎているなどを知らせてブレーカーが火災などの事故を防いでくれているのです。もう一つ、建物の各部屋に電気を配るための配線用ブレーカーもあります。

太陽光発電システムを導入する場合にも、ブレーカーを設置する必要があります。もしもブレーカーを設置していなければ、家のどこかで漏電していても電気の使い過ぎで負荷が過剰にかかっていてもなかなか気付けないでしょう。何気なく便利に使っている電気ですが、安全に使うためにはブレーカーのようなサポートシステムが必要なのです。”

ブレーカーには種類がある!それぞれの働きについて

“ひと口にブレーカーといっても、役割の違う種類が3つあるのをご存知でしょうか?3種類のブレーカーとは、アンペアブレーカー(サービスブレーカー)・漏電ブレーカー・安全ブレーカーです。危険があったときには、それぞれが安全を守る役割を果たすためにブレーカーを落とします。そのときは電気を復旧するためにブレーカーを上げる必要がありますが、落ちたブレーカーを元に戻す方法も種類ごとに気を付けなければなりません。

アンペアブレーカー(サービスブレーカー)は、契約アンペア値を超えて電気が使われたことを察知して電気の流れを遮断するブレーカーです。契約アンペアは、同時に使える電気の量を示しています。あらかじめ決まってしまっている建物もありますが、同時に多くの電気機器を使う場合は契約アンペアを慎重に選んだほうがよいでしょう。電力会社では、契約アンペアによって基本料金も違ってきます。この契約アンペアを超えて同時に電気が使われると、ブレーカーが落ちてしまいます。例えば、電子レンジとドライヤーなど、電気量を多く使う家電の同時使用には気をつけることが大切です。

漏電ブレーカーは、建物内で漏電が起きたことを察知して電気を遮断します。これにより、火災などの二次被害を防ぐことができます。分電盤から建物内の各部屋に電気を分配するのが、安全ブレーカーです。分岐回路の役割を持っていますが、各部屋で電気が過剰に使われると遮断される働きもします。”

知ってる?ブレーカーが落ちたときの正しい対処法

“ブレーカーは、種類ごとの役割を果たすために自動的にスイッチがオフに切り替わるようになっています。万が一の危険がある場合に、人が気付く前に感知して電気を遮断する対処をしてくれるのです。ブレーカーが突然落ちると、接続されている部分が停電します。ブレーカーが落ちることに慣れてしまっていると、すぐに電気を復旧させようとブレーカーのスイッチを切り替えるだけで終えることがあるかもしれません。しかし、この対処法では不十分なこともあるため注意してください。

なぜブレーカーが落ちることに慣れてしまうかというと、アンペアブレーカーや安全ブレーカーは同時に使う電気量が多いとすぐに遮断されるからです。事故を未然に防ぐためにブレーカーが建物を守ってくれているわけですが、忘れた頃にうっかり電気を使い過ぎてブレーカーが落ちるということを繰り返していると、ブレーカーのスイッチ切り替えも何気なくするようになる可能性があります。正しい対処法は、電気の同時使用に気を付けるか契約アンペア数を増やすことです。また、ブレーカーが落ちたときには電気製品のコンセントから全てのプラグを外し、ブレーカーも全てオフにしましょう。再びブレーカーのスイッチを切り替えるときには、アンペアブレーカー、漏電ブレーカー、安全ブレーカーの順に切り替えていきます。電気製品のプラグを戻すのは、最後です。

漏電ブレーカーが落ちたときは、もっと慎重になる必要があります。建物のどこかで漏電が発生している可能性があるため、まずは全てのブレーカーのスイッチを切りましょう。次に漏電ブレーカーのスイッチをオンにして安全を確かめてから、安全ブレーカーなどをオンにしていきます。漏電ブレーカーの誤作動として雷の発生時がありますが、このときも慎重にスイッチをオンにしていくようにしてください。”

一般的な家庭の分電盤とは

“ブレーカーは、分電盤とも呼ばれています。分電盤の構造は機器によっても異なりますが、アンペアブレーカー(サービスブレーカー)と漏電遮断器などが一緒に一つのボックス内に収まっているのが一般的です。分電盤の設置が完了したときや建物内で電気を初めて使う前に設置業者から説明を受けるのが通常ですが、どのブレーカーがどんな役割を果たしているかはしっかり確認しておくようにしましょう。特に漏電ブレーカーなどは、ブレーカーのスイッチが途中で止まっていることがあります。これを中間保持といいますが、復旧するときは一度スイッチを完全にオフにしてからオンにする流れをとりましょう。それでもスイッチがオンにならない場合は、ブレーカーの故障か漏電などが復旧していないことが考えられます。必要な対処をしてから、ブレーカーのスイッチをオンにしてください。

アンペアブレーカーは、契約アンペアの容量によって色分けされています。例えば、10Aは赤色、15は茶色、20は黄色といった具合です。契約している容量を超えた電気が流れると、自動的に遮断される仕組みです。契約しているアンペア数がわからない場合はブレーカーの色で見分けてもよいのですが、電力会社の場合は請求書などで確認できます。”

太陽光発電を導入したら専用のブレーカーも必要

“電力会社から電気の供給を受けている場合は、電力会社との契約によって必要なブレーカーが有償で販売されます。太陽光発電システムを導入する場合は、これとは別に専用ブレーカーの設置が必要です。なぜ専用ブレーカーが必要になるかといえば、遮断器やパワーコンディショナーの負荷が不均等になることによって最大電流が流れてしまう恐れがあるためです。太陽光発電システムとブレーカーとのつなげ方には、2つのタイプがあります。

接続方法の1つでは、主電源漏電ブレーカーとして3P3E型の中性線欠相保護付き漏電遮断器を利用します。太陽光発電用ブレーカーとしては、3P3E型あるいは3P2E型の漏電遮断器を利用することで対処します。もう1つの接続方法は、主電源漏電ブレーカーとして3P3E型の中性線欠相保護付き漏電遮断器を使用する方法です。太陽光発電用ブレーカーとしては、3P3E型あるいは3P2E型が使用されます。どちらの方法で接続するかは、所轄の電力会社に確認しましょう。ブレーカーの容量についても、パワーコンディショナーのメーカーによって指定されています。”

電力の使い過ぎにも注意が必要

“ブレーカーが落ちる体験をした人は、少なくないでしょう。太陽光発電でも、電気トラブルとしてよくあるのが電力の使い過ぎによるブレーカー落ちです。太陽光発電システムのブレーカーも、電力会社のブレーカーと同じようにアンペアの容量が決まっています。機器によっても容量が違ってくるため、どの機器を用いるかを決める前にどのくらいの電気量を同時に使用するか考えておくことが大切です。ブレーカーの落ち方は、電力会社の分電盤でも太陽光発電システムの分電盤でも同様です。あらかじめ決められた電力容量を超えて同時使用すれば、ブレーカーが落ちる仕組みになっています。

漏電以外でブレーカーが落ちるケースとして多いのは単純な電気の使い過ぎですから、ブレーカー落ちを防ぐためには電力の容量を増やすか同時にアンペア数の高い電化製品を使わないようにする対策が必要です。電力の容量を増やすのは、お金の無駄使いにもなりかねません。時間差で電化製品を使うなど、生活の仕方に工夫するのも一案です。”

高温と高湿は太陽光発電用ブレーカーの大敵!

“太陽光発電システムは、温度や湿度に影響を受けやすい特徴があります。特に注意しておきたいのは、高温多湿です。どちらか一方に影響を受けるだけでも、システムに不具合が起こる可能性があります。例えば、高温になりやすい真夏にはブレーカーが落ちることも珍しくありません。この対策としてソーラーパネルの種類を選ぶことも可能ですが、従来のシステムでは温度が過剰に上がるとパワーコンディショナーが止まってしまうのがネックです。パワーコンディショナー内部の温度が下がれば再起動するものの、連日高温に見舞われる夏場には頻繁に停電してしまうのがストレスになりかねません。

湿度が高くなるとブレーカーが落ちやすい原因は、漏電のリスクにあります。雨季のような雨の多い時期だけでなく、暖房を多く使用する時期にも急激な温度差によって結露が発生します。これが漏電につながるリスクがあるため、ブレーカーが落ちやすくなるのです。雨漏りしている場合も漏電リスクがあるため、ブレーカーが落ちる可能性があります。”

主幹ブレーカーの容量が原因で太陽光ブレーカーが落ちることも

“主幹ブレーカーの容量が原因で、ブレーカーが落ちることもあります。太陽光ブレーカーでは、主幹ブレーカーの容量を系統ブレーカーの総容量より大きくしなければなりません。系統ブレーカーの総容量が主幹ブレーカーの容量を上回った状況は、系統ブレーカーの過積載ということです。正しい容量比にしておかないと、ブレーカーが正常に機能しなくなります。よくあるのが、太陽光モジュールを増設したときのトラブルです。主幹ブレーカーを交換する場合は、容量が適切かどうかよく確認しましょう。

主幹ブレーカーと系統ブレーカーの容量比には問題がないはずなのにブレーカーが落ちるという場合は、温度の上昇が関係しているかもしれません。主幹ブレーカーの容量に対して系統ブレーカーの総容量が少なめという程度では、高温時にブレーカーが落ちやすくなります。容量が大きい主幹ブレーカーは、価格も高くなるのが一般的です。初期設置で業者が価格を下げようと判断ミスをすることもあるため、しっかりチェックしてください。”

太陽光発電用ブレーカーが落ちないようにするための対処法

“太陽光発電システムの専用ブレーカーが頻繁に落ちると、そのたびに停電したり復旧しなければならないことがストレスになってきます。ブレーカーが落ちる本来のリスクを見失ってしまう恐れもあるでしょう。漏電はもちろんですが、許容量以上の電気を使い過ぎることも火災などの事故につながりかねません。特に許容量以上の電気を使ってしまうことはよくありますから、意識して対策することをおすすめします。簡単な対策としては、消費電力の高い電化製品を把握しておき同時に使わないようにすることです。

特に電力使用量が高い電化製品には、IHクッキングヒーター(1,400~3,000W/h)、電子オーブンレンジ(1,000~1,400W/h)、アイロン(1,200~1,300W/h)などが挙げられます。食器洗い機(1,100~1,300W/h)も電力使用量が高いため、他の電化製品との同時使用は避けたほうがよいでしょう。意外なところでは、電気ポット(900~1,400W/h)があります。ほんの数分と思っても、スイッチを入れた途端にブレーカーが落ちるかもしれませんので気を付けましょう。他に、ドライヤー(600~1,200W/h)や掃除機(850~1,000W/h)なども比較的高い電力使用量です。いずれもメーカーや製品によって使用電力量は異なるため、詳細は使用している電化製品ごとに確認してみてください。

使用電力量の高い電化製品を同時使用する以外には、分電盤に冷却ファンを設置する対策法もあります。分電盤内で、高温・多湿にならないようにする配慮です。また、電力容量を高くしておくのも一つの方法です。”

まとめ

太陽光発電システムを導入しても、電力会社から電気を供給するのと同様に専用のブレーカーが必要です。通常はいつでも電気を使えるようにスイッチオンの状態になっているブレーカーですが、リスク回避のために危険を察知すると自動的にスイッチオフになって停電する機能を持っています。ただし、一度スイッチオフになると自動的にはオンにならないため、手動でスイッチをオンにして電気を復旧させなければなりません。このとき正しく対処しないと、電化製品の故障につながったり漏電などを見過ごしてしまう恐れがあります。また、頻繁にブレーカーが落ちてしまう場合は、原因を探って対策したほうがよいでしょう。それが、太陽光発電システムを効率よく働かせるために大事なポイントです。

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