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ソーラー発電をpvと呼ぶのはなぜ?システムについても解説

“一般的に太陽光エネルギーを利用し電気を作るシステムを「太陽光発電」や「ソーラー発電」と言い、一度は耳にした事があると思います。
しかし、メーカーによっては「pvシステム」と呼ばれる事もあり、ソーラー発電の導入を検討する人が「何が違うの」と疑問を抱いても不思議ではありません。
結論から言えば、pvのソーラー発電も同じ意味なのですが、専門用語を分からないままにして導入を進めるのは危険です。
まずは、ソーラー発電の導入を検討する上で、納得のいく結果が得られるよう、難しい専門用語やその内容を理解しておきましょう。”

pvとは何の略のこと?ソーラー発電との違いとは

“ソーラー発電とは、太陽の光をソーラーパネルで受け止める事で発生する「光起電力」を、一般家庭でも利用できる電気に変換して供給するシステムの事を言います。
このソーラーパネルが太陽光を受け止める事によって発生した光起電力の事を英語では「Photovoltaic(フォトボルタイク)」と言い、これを略したものが「PV」です。
発電を英語にすると「Power Generation」となりますので、海外ではソーラー発電を光起電力を用いた発電「Photovoltaic Power Generation」と呼んでいます。

ソーラー発電とpvの違いを正確に挙げるとすれば、ソーラー発電は光電池、いわゆる「ソーラーパネル」を用いた発電システムの事を指しており、pvはそれに伴って必要となる電力の事を指していますが、一般的にはソーラー発電もpvも同じ意味で用いられています。
海外でも、Photovoltaicは太陽電池(ソーラーパネル)を指す言葉として用いられる事がほとんどです。

また、pv以外にも日本では太陽電池を意味する「Solar Cell」、太陽電池の最小単位「太陽電池セル」、ソーラーパネルの材料となる「単結晶・多結晶」など、ソーラー発電には様々な専門用語が用いられていますので、もし分からない場合があったら、しっかりと聞く事もソーラー発電を導入する上で大切な項目となります。”

pvシステムとは具体的に何を指す?

“pvシステムとは、太陽の光エネルギーを吸収して電気に変換する「太陽電池」や、それに接続された電気の変換機器、蓄電池といった周辺機器、簡単に言ってしまえば太陽光発電(pv)を利用する為に必要なシステムの集合体を「pvシステム」と呼んでいます。
このpvシステムを構成するに当たって必要となる主な機能は以下の4つが挙げられます。

・太陽光エネルギーによって発電する「太陽電池」
・発電された直流電気を一般利用する為に交流電気へと変換する「インバータ」
・発電した電気を充電する「蓄電池」
・発電した電気を電力会社に売買する為の「系統連系システム」

上記がpvシステムの基本構成となりますが、pvシステムは目的に応じて構成要素を変えている為、必ずしも全てのpvシステムが基本構成の機能を携えているという訳ではありません。
また、一般的にあまり浸透はしていない「系統連系システム」という機能を挙げましたが、これは電力会社の電力系統と連携させて発電設備を接続したシステムを指し、pvシステムでは足りない分の電力を購入する、または余った電力を売却するといった事が可能となっています。
一方で電力会社の電力系統から完全に分離したシステムを「独立型システム」と呼びます。”

独立形pvシステムのメリットとデメリット

“独立系pvシステムは、電力会社の電力系統から完全に分離したpvシステムの事で、「オフ・グリッド」とも呼ばれています。
電力会社の電力系統から独立している為、電力会社から足りない分の電力を購入、または余った電力の売買をする事ができません。
また、環境に負担の少ない循環型社会の形成を目的とし、現在多くの自治体では住宅用太陽光発電システムの設置補助金を支給しているのですが、独立型pvシステムの場合はこの補助金を受ける事ができないというデメリットを持っています。

一方、電力会社の系統と接続する為のシステムが不要な分コスト面は低く、DIYでpvシステムを構築する事ができます。
ソーラーパネル一枚からでもシステム構築ができる為、使用目的や予算に合わせて柔軟にpvシステムを構築できるのがメリットです。
また、独立系pvシステムは蓄電池を基本とした構成となる為、夜間や停電時でも電力をまかなう事ができます。”

系統連系形pvシステムのメリットとデメリット

“系統連系型pvシステムは、電力会社の電力系統と接続したpvシステムの事で、一般家庭に導入されているpvシステムのほとんどはこの系統連系型pvシステムとなります。

柔軟なpvシステムを構築できる独立系とは異なり、系統連系型のソーラーパネルは基本屋根への設置となる為、それに伴う工事費などで導入コストが膨らむというデメリットがあります。
また、系統連系pvシステムは既存の電力会社の電力網に接続している為、基本的に電力を貯める「蓄電池」の機能は持っていません。
その為、夜間時や雨天の電力提供はなく、停電になった場合は電気が止まります。
なお、全ての系統連系pvシステムに蓄電機能がないという訳ではありません。中には蓄電機能も携えたpvシステムも販売されています。但し、その分費用は高額なものとなりますので、導入の際は注意して下さい。

一方、pvシステムの発電量が余分となった場合は、その余分な電力がpvシステムと接続している電力会社線側に戻っていく「逆潮流」が起こり、戻った電力は買い取って貰う事ができます。
電力の過不足が無い上に、電力を買い取って貰う事で電気代コストを抑える事ができるというのは大きなメリットです。
また、系統連系pvシステムであれば住宅用太陽光発電システムの設置補助金を自治体などから受け取る事もできます。”

ソーラー発電の一日の発電量とは

“ソーラーパネルなどによる発電量は、年間での1kWあたりの発電量が900~1400kWh程度となり、これを単純に1年で割ると、1日あたり2.5~3.8kWh、一か月単位だと80~120kWhの発電量となります。
「kW(キロワット)」というのはソーラー発電においてよく用いられる単位で「出力できる電力の大きさ(発電出力)」を示しています。
一方「kWh(キロワットアワー)」は「どれだけ発電できたか(発電量)」を示しています。

ソーラーパネルによる発電量は季節によって変動があり、日射量の低い冬季はそれに伴って発電量が減少します。
逆に夏は気温の上昇が原因で、ソーラーパネル内部の発電部分である半導体(シリコン)が熱によって機能を低下させ、それにともない発電効率も低下します。
機能低下によって夏季は常に発電量が低いという訳ではありませんが、安定面で言えば気温が低く日射量が多い春季に劣る事があります。

なお、ソーラーパネルによっては内部のシリコンに耐熱効果を加え、気温が上昇しても効率的に発電できる高温に強いタイプのソーラーパネルも存在しています。コストは高くなりますが、効率的な発電を希望する方は耐熱使用を整えたソーラーパネルの検討も視野に入れてみて下さい。”

天候によって発電量は大きく違う!

“ソーラーパネルの発電効率は、季節だけではなく天候によっても変動を見せます。
まず覚えておいて欲しいのは、ソーラー発電は「太陽光」を利用して発電するシステムであり、太陽の熱で発電する訳ではありません。
その為、どんなに暑い日でも日射量が雲の影響で減少している場合は発電効率がそれに伴って低下してしまうのです。

例えば、曇天時は太陽が出ていたとしても、雲の影響によって太陽光が散乱し、ソーラーパネル全体が受け取れる日射量が減少してしまいます。日によっては半分程にまで減ってしまう事もあります。
雨天時に関して言えば、日射量は大幅に減少しますので、曇天時よりも発電効率は下がります。日によっては1kWあたりの発電量が1kWhに満たない事もあるのです。

また、雪の降る地域に住んでいるという方は、冬の発電量にも注意して下さい。
積雪時の雪の量にもよりますが、ソーラーパネルを完全に覆う程の雪が厚く積もれば、ほとんど発電されません。
その為、地域によっては雪の対策として、ソーラーパネルを設置する際の傾きを大きくするなどの対策でパフォーマンスを維持させる必要が出てきます。
中には角度を調節する事ができるタイプのソーラーパネルもあるので、導入の際はそういったポイントも重視しておく事も大切です。”

発電量を上げるコツ

“年間を通して、少しでもソーラーパネルによる発電量を上げるのであれば、最も重要視すべきなのはソーラーパネルの向きと角度です。

まず、ソーラーパネルが最も効率的に発電できる方角は南、角度は30℃となります。
太陽は東方向から上り、正午になると真南に位置し、弧を描くように西へと沈んでいきます。この事を考慮して考えると、日中の間に太陽光をより多く吸収できるソーラーパネルの方位は南向きである事が分かります。また、角度を30℃に設けておく事で、日中の間は太陽光の光を捉えやすくする事ができます。

しかし、上記で挙げた方法でソーラーパネルを導入した場合、家庭内で使い切る事ができない余分な電力が系統電力網の負担となり、均衡化にもコストがかさむ等、効率的な発電とは言えなくなってしまう可能性があります。

その為、この策案として次に推奨されるのが、東方角50%、西方角50%というように2面に分散してソーラーパネルを30℃の角度で設置するという方法です。
こうする事で、太陽が真南に位置した際の発電量を抑えられる他、朝と夕方の発電効率は南向きよりも向上しますので、一日の発電量を均衡化する事ができます。
また、仕事前の準備や朝食、帰宅時の夕食などが原因で家庭内の電力消費量は比較的に昼よりも朝と夕方に上昇する傾向があります。
こういった事を考慮した上で考えると、南向きよりも東西2面にソーラーパネルを設置した方が発電量および効率の安定化を図る事ができるのです。”

pvは電力会社とのつながりが欠かせない

“pvシステムは、先述した通り夜間、曇天、雨天時などにおいては十分な発電量は見込めず、逆に言えば発電量が多すぎる事によって過不足分の電力が発生してしまうという不安定な一面があります。
このようなpvシステムのデメリットを補う為に必要なのが、電力会社の電力系統に繋がれる系統連系システムです。
電力会社との繋がりがあれば、pvシステムでは足りない電力を購入する事ができ、余分な電力は売却する事ができます。こうする事でpvシステムによる電力の過不足を解消する事が出来るのです。

また、pvシステムも機械として稼働している以上、システムトラブルが発生してしまう可能性があり、トラブル発生中にpvシステムが稼働し続けてしまった場合、二次トラブルに繋がってしまう恐れがあります。
例えば、システムの異常によって停電が発生した場合でも、pvシステムから逆潮流が発生すれば、停電しているにも関わらず電力が流れているという状態に陥ります。この際、もし修理でもしようものなら感電してしまう事故に繋がる可能性が考えられるのです。
このような危険を失くし、pvシステムトラブル時でも安全に対応できるよう系統連系システムには、異常時にpvシステムを安全に停止する「系統連系保護装置」が備わっています。

以上のようなリスクを回避する為にも、電力会社との系統連系システムを有効利用して下さい。”

pv導入の際はpv施工技術者のいる事業所へ

“pvシステムの設置および点検は誰でも行う事ができますが、知識のないものがpvシステムの施工を行った事が原因で機械にトラブルが発生するといった実例は数多く存在していました。
これらの問題解決を目的とし設けられた資格が「PV施行技術者制度」であり、この資格を保有する者を「PV施行技術者」と呼びます。

この資格は、経済産業省の協力のもとできた資格ですが、実際に行っているのは「一般社団法人 太陽光発電協会」である為、国家資格ではなく、民間の任意資格として位置づけられています。
任意資格とは言え、座学、実習、修了試験とそのカリキュラムは通常のペーパー試験とは異なり、これら複数の試験において一定水準を習得した者のみがPV施行技術者として認められます。

その為、pv施行技術者制度は、pvシステムにおいて基礎的な知識・技術を十分に保有しているという事の証として有効性が非常に高く、より安全にpvシステムの設置、点検を行う事ができます。”

まとめ

“pvシステムは、ソーラーパネルを指す言葉として海外で一般的に使用されている「Photovoltaic(フォトボルタイク)」の略です。
専門用語である為、一般的には浸透していませんが、「pv」と言われれば「太陽光発電の事」と考えて問題ありません。

しかし、pvシステムの内容はとても複雑で、このシステムのプロセスを把握するに当たり、他にも「独立系」や「系統連系」といった聞きなれない言葉もしっかりと把握しておかなければいけません。
また、専門用語以外にもpvシステムで効率的な発電を行う為の計画や、トラブルによる事故を防ぐ為に行うべき対策なども、pvシステムを導入する上で非常に大切な知識となります。

その為、少しでも良いpvシステムを導入するのであれば、導入の際の不明点を失くすよう相談、確認し、そういった質問事項にしっかりと答えられるだけの知識を備えた施行技術者が在籍する事務所を選択する事が大切です。
また、今後のトラブルを考慮するのであれば、アフターフォローが完備された業者を選べば、導入後も安心してpvシステムを使う事が可能です。”

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