太陽光発電システムのメーカーの一つであるシャープは、1959年に太陽電池の開発に着手を開始し、1994年住宅用太陽光発電システムを商品化しました。培われた技術と品質で国内で唯一JAXAに認定を受けており、175基以上もの人工衛星にも搭載されてきました。
そのほか、住宅だけでなくメガソーラー、国内各地にある灯台などにも設置されています。この記事では、50年以上も開発の歴史があるシャープの住宅用太陽光発電システム「サンビスタ」に、どのような特徴やメリットがあるのかについて詳しく解説していきます。
日本の住宅用太陽光発電3割!シャープサンビスタとは?
シャープサンビスタは世界的に実績、知名度の高いシャープが開発・製造している太陽光発電システムです。シャープが2017年12月までに出荷した太陽電池は約13.1GWで、モジュール換算し一列に並べるとその距離は地球約2周に相当します。それほどの出荷量を誇るサンビスタは世界的にも数多く販売されており、日本のみならずイギリスやアメリカ、オーストリアなどでも高いシェアを誇っています。また、日本での住宅用太陽光発電システムの3割を占めているともいわれています。
日本でも数多くの住宅メーカーに採用されていることなどから、79万件以上の住宅に設置実績があり、国内における住宅用太陽光発電システムでも高い割合を占めていることがわかります。またIEEEというアメリカに本部が存在する世界最大の電気・電子技術者による非営利団体組織(学会)に、歴史的偉業を評価するIEEEマイルストーン認定され、太陽光発電に対する取り組みが高く評価されています。
国内のみならず国外でも高い評価を受けている理由の一つに、独自の厳しい品質試験を実施して、すべてクリアした製品のみを出荷していることが挙げられます。サンビスタ製品は国際規格であるIEC規格や日本のJIS規格よりも厳しい基準で「長期耐久性の確保」を実現しています。
台風や激しい積雪などの自然災害への耐久テストはもちろん、潮風による腐食や錆に対しての耐久テスト、PID現象という劣化現象にも対応していることが、シャープの品質に対するこだわりの証となっています。
シャープサンビスタの基本システムとは?
太陽電池モジュールで発電された電気は直流電流で、家庭用の電気機器は交流電流でなければ使えないため、使用するには一度交流電流に変換する必要があります。その機能を持っているのがパワーコンディショナーです。変換された電気は屋内分電盤で各電気機器に送られ、使用可能になります。
電力量計は発電量や売電・買電量を計り、その様子を電力モニタでわかりやすく見ることができます。電力モニタはそのほかにも節電状況の確認、蓄電池の使用履歴、環境貢献度の確認もでき、電気の効率的な運用を助ける役割があります。これらの機器は一度設置すれば後は特別な操作は必要なく、いつも電化製品を使うときと同じように使用する事ができます。
シャープサンビスタのメリット1.モジュールの組み合わせが自由
シャープでは架台から太陽電池モジュールまで自社で制作しているため、切妻、寄棟、陸屋根をはじめ複雑な屋根形状に柔軟に対応できます。これまでの実績で約76万件の設置パターンを持っており、屋根を最大限に使ったレイアウト、コスト重視のプランなど希望に合わせた提案をスピーディーにすることができます。それ以外のパターンが必要になった場合でも「CADレイアウト設計システム」で専用の設計が可能で、ほとんどすべての形状に対応できます。
また、限られた屋根面積を無駄にしない「ルーフィット設計」で、サイズの異なるモジュールを組み合わせて設置容量を増やしたり、コーナーモジュールを利用してこれまでは設置しづらかった形状の屋根も有効活用できます。また、狭い屋根でも細かく配置でき、無駄なスペースを極力無くすことで発電率の高効率化が可能となっています。耐風圧性能が強化された架台とモジュールも、設置するスペースを増やすことに一役買っています。
グッドデザイン賞を受賞しているモジュールと工法は、見た目も違和感なく設置可能で、モジュールを設置した際の外観をあまり損いたくないという消費者の要望に答えています。瓦屋根も瓦型モジュールを利用することにより美しさを保ったまま設置可能です。また高効率モジュールであるBLACKSOLARと組み合わせることで、屋根の発電効率を最大限に引き出せます。
シャープサンビスタのメリット2.電力ロス低減が可能
通常、太陽電池モジュールで作った電力は、昇圧装置と接続箱を通ってパワーコンディショナーに送られます。モジュールは5枚で1組などいくつかの組を作ってから接続箱でまとめられますが、5枚で1組と4枚で1組など違った枚数の組み合わせになると、電圧が異なるため電力にロスが生まれます。昇圧装置は一定電圧まで昇圧してそのロスを防ぐための装置です。
従来の構造では昇圧装置と接続箱の設置が必要だったため、太陽電池モジュールで発電された電気が、それらの機器を経由するときに電力のロスが起こっていました。シャープサンビスタの高効率パワーコンディショナーは、昇圧装置や接続箱を内蔵したオールインワン構造となっており、他の機器を経由する際の電力ロスは発生せず電気を効率的に利用できます。
シャープサンビスタのメリット3.ハイブリッドパワーコンディショナ
従来の分離型システムを採用している場合、通常は太陽光発電と蓄電池それぞれに合計2つのパワーコンディショナーが必要ですが、ハイブリッドパワーコンディショナは1台で太陽光発電も蓄電池も制御可能となっています。そのため初期費用を抑えられ、スペースも少なくて済みます。
設置に関しては、既にシャープ製の太陽光発電を設置済みでも設置可能なことや、簡易基礎でも設置可能で基礎工事の必要がないため、短時間で使用可能になるというメリットがあります。また、屋外に設置できるためスペースが確保しやすく、風通しの良さから本体の温度上昇による抑制を軽減でき、暑い夏場でも効率よく運転できます。
電力会社は法律で定められた範囲内で電力供給を行わなければならないため、電力会社の電圧がパワーコンディショナーの出力上限を超えるとパワーコンディショナーの機能で電圧に抑制がかかるようになっています。この機能を電圧上昇抑制といいますが、この状態では一時的に売電ができなくなるため、従来の分離型システムではその電力はロスとなっており、無駄が発生していました。
ハイブリッドパワーコンディショナでは新たに、ロスになる電力を蓄電池へ充電する機能が付いているため、今までの無駄をカットし効率的な運用が可能です。停電時には自動で蓄電池から電力供給する機能もあり、ソーラーから蓄電池への充電も同時にしてくれます。従来のシステムに比べて蓄電しやすくなるため、長時間の停電にも対応できるようになっています。
シャープサンビスタのメリット4.保証制度
サンビスタの保証はシステム設置時に無償の10年保証か、有償の15年保証のどちらにするか選べます。正常に使用していたにもかかわらず、保証期間内にサンビスタのシステムにトラブルが発生した場合に修理対応してもらえます。
架台やパワーコンディショナー、電力モニタなどのシステム機器の故障はもちろん、設置工事が原因のシステムトラブル、太陽電池モジュールの出力が最大出力の下限値の85~90%より低くなった場合などにも対応してもらえますので、常に高い出力で発電量を落とすことなく利用できます。
国内生産で高品質のBLACKSOLARモジュールに関しては限定の長期プレミアム保証が無償で付いており、20年にわたって保証が受けられます。修理費用も保証に含まれるため追加費用は一切ありません。これだけ長い保証制度により、モジュールの出力低下などで交換費用がかからないため、元が取りやすくなっています。
保証の中にはWebモニタリングサービスも入っています。これはインターネットを利用して、シャープの専門担当者がサンビスタのシステムを毎日見守ってくれるサービスです。このシステムはサンビスタに標準搭載のため、専用機器などを別途購入したり追加費用を払う必要はなく、パワーコンディショナーや電力モニタにも保証があります。
専門担当者からは、国内でも高いシェアを誇るシャープの豊富な実地データから、近隣のサンビスタ利用者の発電状況と比較して、精度の高い診断をしてもらえます。
毎月の定期診断を知らせてもらえたり、パワーコンディショナーに不具合のあった際にはモニタリングセンターでエラー表示が出るため、専門担当者が分析後に早期連絡して、修理や点検などに対応してもらえます。担当者はシャープの特別な訓練を受けた「ソーラーテクニカルマイスター」が行います。この対応力から、万が一不在のときにトラブルなどが起きても安心です。
そのほか、機器の誤操作など、不具合以外の原因で発電や売電ができていなかったときなども、「発電診断レポート」という形で専用Webサイトにアップされます。専用Webサイトでは電力モニタ、パソコンやテレビ、スマートフォンから、発電量や節電状況の表示など様々な項目を確認できるようになっています。
シャープサンビスタのデメリット1.わかりにくい
国内でも国外でも、豊富な製品ラインナップと組み合わせの多さからも評価を得ているサンビスタですが、それゆえに太陽光発電に詳しくない人にはどの組み合わせが最適なのかわかりにくくなっています。モジュールだけでも切妻屋根向け、寄棟屋根向け、コーナーモジュール、PERCセルなど種類が多くすべての製品を把握するのに時間もかかります。
新しい製品やモデルチェンジ品が出るペースが早く、価格もそれだけ頻繁に変動することも、検討するのを難しくさせる要因の一つになっています。Webサイトなどで調べてみても、実際に設置する部分にどんなモジュールが設置できるのかといった情報が確認しづらく、費用もどれほどかかるものなのかを正しく計算するのは困難です。
シャープサンビスタのデメリットを改善する方法とは?
ホームページやカタログを見ていても初心者にとってはよくわからないことが数多くあります。また、自分ではわかっていたつもりでも実際に話を聞いてみると、知らなかった点や思い違いをしていた点が出てくることもあります。不明な点を解消するには、信頼できる販売店に相談をしてみると良いでしょう。
専門家に相談したほうが悩んでいるより早く問題を解決できます。今現在の住宅の状況や家族の希望など、気になる点をまとめた上で、どの組み合わせが最適かを相談してみましょう。そのときに見積もりを出してもらうと具体的な費用がわかりやすく、話が進めやすくなります。
地域密着型が魅力!シャープサンビスタメンバーとは?
シャープサンビスタメンバーとはシャープサンビスタ製品を取り扱っている、豊富な販売・施工実績を持つ代表的な取引企業のことです。全国で300社近くのサポートネットワークで、サンビスタ設置を検討している人に対して地域密着型のサービスを提供しています。
このメンバーに認定された販売店には専門のアドバイザーが在籍しており、シャープの規定に基づきお客様第一のきちんとしたマナーでの対応、シャープ所定の安全性の高い工法での施工、「10年保証」「15年保証」に基づいたアフターケアも行っており、施工後も安心の内容になっています。
取扱販売店へ!シャープサンビスタの導入方法
シャープサンビスタを導入するには、まず取扱販売店でシステム導入に関する疑問点などを相談します。自分の要望を伝え、それを元に最適なプランと見積もりを作成してもらいます。場合によってはこの段階で屋根や周辺環境の調査をしてもらう必要があります。
契約後に設備認定の申請があり、売電をするための発電設備が、法令で定める要件に適合した仕様になっているかどうかといった点などについて経済産業省が確認します。その後、電力申請や現地確認後に発注・設置工事があります。契約後、約2ヶ月~2ヶ月半程で設置は完了します。
まとめ
次世代のクリーンエネルギーとして、地震や台風などの災害による停電対策、環境への貢献効果などの観点から太陽光発電システムへの需要が高まってきています。各メーカーの太陽電池モジュールの品質向上などにより、発電効率も年々アップしており発電や売電で元を取るのも難しくなくなってきました。また、地方自治体から設置補助金が支給されるため、導入もしやすくなっています。
シャープは太陽光発電の開発50年という長い歴史から、高品質でデザイン性も高い製品が豊富にあり、建物の外観を損なうことなく、かつ高効率の発電を可能にしています。国内の大手メーカーという安心感もあるうえ、日本だけでなく世界中で設置の実績があり、サービスや保証内容も充実しています。
太陽光発電システムの導入を検討するには、先にどのくらいの費用がかかるのかを知ることが必要です。そのためにはまず販売店に相談し、見積もりを出してもらうことが第一歩になります。ヒラソルではサンビスタをはじめ豊富なメーカーを取り扱っています。約60秒で完了する見積もり依頼もありますので、導入時の目安になります。太陽光発電導入をご検討なら、是非一度ご相談ください。
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