太陽光発電を導入しようと考えているときには、他のものにも気を払ってできるだけお得に使えるようにするのが大切です。オール電化にして発電した電力を有効活用する方法や蓄電池を使って電力を貯めておく方法はよく知られていますが、車を電気自動車にするのにも多くのメリットがあります。電気自動車と太陽光発電の相性について理解して併用を検討してみましょう。
環境にやさしい!電気自動車のメリット
初めに車を電気自動車にするメリットを理解しておきましょう。もともと電気自動車はディーゼル車やガソリン車などが排出する二酸化炭素や窒素酸化物、硫黄酸化物などにより大気汚染が起こる問題を解決するために考案されてきたという経緯があります。ガソリンなどを燃焼させて走る自動車とは違い、電力で走るので走行中に二酸化炭素などを発生させません。環境負荷が小さくて持続可能な社会を作り上げていくために貢献できるのがメリットです。環境に優しいことに関連して現状では電気自動車を購入するときに補助金を使えるのもメリットです。クリーンエネルギー自動車等導入促進対策費補助金の対象となっているので、購入時には申請するのを忘れないようにしましょう。
ランニングコストについても電気自動車は安くできる可能性があります。原油価格の高騰によってガソリンや軽油の価格は上昇してきています。電気についても火力発電のコストが上がっていて値段が上がる傾向があるものの、太陽光発電や水力発電、風力発電などのクリーンなエネルギーの実用化が進んでいる影響で比較的電気料金は低い水準に抑えられています。電力自由化によって自由に電力会社と契約できるようになり、時間帯によって安く電力を使える契約も増えてきました。あまり電気が使われない夜間に電気料金が安くなるプランもあるので、プランを変更して夜間に充電すればコスト削減ができます。自宅でいつでも充電できるのでガソリンスタンドに行く手間や時間、燃料費も削減することが可能です。
運転する上でも電気自動車には魅力があります。ガソリンを燃焼させることによる音や衝撃が発生しないため騒音や振動がかなり少なくて静かなのが魅力です。車内でのコミュニケーションを取りやすいだけでなく、周囲に騒音や振動などで迷惑を掛けるリスクも低くなります。また、発進や加速も電気自動車はガソリン車などに比べるとスムーズです。電動モーターは発進時の能率が高くて加速性能が良く、アクセルの応答性が高くてダイレクトに力を伝えて運転している感覚を得られます。
あまり走れない?電気自動車のデメリット
電気自動車にはデメリットもあります。ガソリン車はゆっくり給油しても数分あれば十分ですが、電気自動車の場合には充電に時間がかかってしまいます。メーカーや車種によって違いはありますが、空の状態からフル充電にするまでにはかなりの時間がかかります。充電方法には普通充電と急速充電の二つの方式がありますが、自宅で200Vの充電設備を使って充電すると数時間単位で時間がかかるのが問題です。サービスステーションなどにある急速充電設備を使うと40分程度あればフル充電にでき、余剰の電力があるケースが多いので実際には15分から30分程度で充電できます。それでもガソリンに比べるとかなり長い時間がかかってしまうことは否めません。
充電に関わるもう一つのデメリットがガソリンスタンドほど充電できる場所が多くないことです。自宅周辺でしか乗らない場合には問題はありませんが、長距離運転をするときには充電できる場所を探さなければなりません。一部のガソリンスタンドやコンビニ、高速道路のサービスエリアや道の駅などに設置されている程度です。都心部では比較的よく見かけられるようになってきましたが、地方に行くと極端に少なくなります。もっと電気自動車が普及すれば状況が変わる可能性があるでしょう。しかし、現状としては遠出のときには充電できる場所を確認しておく必要があるのです。
充電時間が長いにもかかわらず航続距離が短いのもデメリットです。数十分から数時間の充電をして満タンにしても100kmから200km程度しか走れない電気自動車が大半を占めています。ガソリン車の場合には500km程度は走行できる場合が多いので、三分の一程度しか走れないということになるのです。ただ、最近の技術を使っている電気自動車ではかなり航続距離が長くなってきていて1000kmに達している例もあります。航続距離が気になる場合には技術開発の状況にも目を向けて買い時を考えた方が良いでしょう。
また、本体価格が高いのも電気自動車のデメリットです。補助金を使ってもガソリン車よりは高くなってしまうでしょう。長期的に見てコストパフォーマンスを考えて購入する必要があります。
太陽光発電と電気自動車を所有するメリット1.燃料費の節約
太陽光発電と電気自動車を同時に所有すると燃料費の節約ができるのがメリットです。電気自動車は自宅でコンセントにつなげば充電できますが、太陽光発電をしていれば発電した電気を使って車の充電をすることが可能です。日中の太陽がソーラーパネルに当たっているときしか太陽光発電は起こりませんが、日中は常にその電力を使い切っているわけではありません。余った分は電気自動車に貯めるという形で運用すると、電気代を払って充電したり、サービスステーションなどで充電するのに費用をかけたりする必要がなくなります。十分に発電量があれば一切燃料費がかからなくなる可能性も十分にあるので、太陽光発電と電気自動車を併用すれば長期的に経済的な負担を減らすのに役立つでしょう。
太陽光発電と電気自動車を所有するメリット2.蓄電池代わりになる
太陽光発電と電気自動車を併用すると蓄電池を買わなくても電気を貯めておけるようになります。家庭用蓄電池は太陽光発電を有効活用する手段として注目を浴びるようになりました。ソーラーパネルを設置しただけの場合には太陽光が当たっていて発電しているときにしか電気を使えません。使用しなかった電気については電力会社に売るという形になっています。売電することで電気代を差し引きで安くできるというメリットはありますが、家庭用蓄電池を使うと電気を貯めておけるようになるので夜間や曇りの日でも電気を使用できるようになります。停電で電気が使えなくなってしまったときにも照明を付けたり、電気調理器で料理をしたり、冷暖房を使用したりすることが可能です。災害時に電力を確保する手段としても着目されていて、非常電源を確保したいと考える人にとって大きな魅力があります。電気自動車は走行するために電気を貯めておける仕組みになっていますが、その電気を他の目的で使用できる仕組みも備えているのが特徴です。そのため、普段は移動手段として電気自動車を使用し、停電時には貯められている電気を使って非常電源にするという運用ができます。一台で二役を果たしてくれるのが電気自動車のメリットです。
家庭用蓄電池より電気自動車のほうが優れている点とは?
家庭用蓄電池より電気自動車が優れているのは機能性の高さに由来するコストパフォーマンスの良さです。一般的に家庭用蓄電池に比べると電気自動車の方が蓄電量が多く、貯められる電気量あたりの単価で考えると電気自動車の方が安上がりになる傾向があります。どちらも技術開発の影響で価格が下がってきているので一概には言えませんが、蓄電量あたりの単価では電気自動車が蓄電池に劣ることはあまりありません。また、一台で移動や運搬などのために使える移動手段としての役割と蓄電池の二つの役割を果たせる点でも高いパフォーマンスを示すのが電気自動車です。家庭用蓄電池を設定しようとしたときにスペースの確保が問題になる場合も多いですが、もともと駐車スペースがあるなら電気自動車に機能を集約させてしまえば問題を解決できます。
把握しておきたい電気自動車を所有するデメリットいろいろ
蓄電をする目的で電気自動車を太陽光発電と併用するデメリットとしてコストの問題がまず挙げられます。電気自動車はかなり高価なので、同時に導入しようとすると予算確保に苦労することが多いのは確かです。
一方、電気自動車の主目的は走行という場合がほとんどです。家庭用の電源では充電に時間がかかってしまいやすく、非常時に十分に充電されていなくてあまり非常電源としては役に立たないというリスクもあります。
蓄電さえできれば良いという考え方を持っている場合には蓄電池の方が良い場合も多々あります。電気自動車が取るスペースに比べると蓄電池の方が少ないスペースで済みます。駐車スペースがない家庭では蓄電目的なら家庭用蓄電池を選ぶのが無難でしょう。自動車を所有すると自動車税や自動車重量税、自賠責保険料や車検費用などもかかることになります。ランニングコストで考えても車に乗る予定があまりないなら家庭用蓄電池を選んだ方が良いのです。
電気自動車のデメリットは工夫して改善しよう
電気自動車を太陽光発電と併用するときに生じるデメリットは工夫次第で改善することが可能です。購入費用が大きくなってしまう問題は補助金を使用するのが合理的です。補助金は助成金と違って審査を受けて合格しなければ認められませんが、電気自動車を導入する家庭がまだ少ないので申請が通る可能性が高くなっています。購入する時点でディーラーに相談して手続きを忘れないようにしましょう。
蓄電量は大きいのが電気自動車の魅力なので積極的に充電することで非常時に電気が足りないといったトラブルも避けることが可能です。買ってすぐのうちは充電を忘れてしまいがちですが、習慣化できるとよほど外出時間が長い場合を除けば十分にフル充電に近い状態を維持できます。
そして、電気自動車を停めるスペースを予め考えておけば場所を取ってしまう問題も克服できる可能性があります。もともと車を持っているのなら買い替えをすれば大きな問題にはならず、パワーステーションを設置するスペースだけ確保すれば大丈夫です。新たに駐車スペースを作る必要がある場合には必要に応じて家全体のリフォームも考慮してみましょう。外構工事を少し行うだけで十分にスペースを確保できることもよくあります。
太陽光発電設備を搭載した電気自動車もある?
太陽光発電と電気自動車の関係について理解すると、太陽光発電をして動力を自ら生み出せる自動車はないのかと思う人もいるでしょう。まだ実用化はされていないものの、開発は着実に進められてきています。太陽電池モジュールの小型化や軽量化といった問題が残されていて実用レベルの技術開発は達成されていません。精力的に研究を進めている企業もあるので近い将来には実現できる可能性は十分にあり、最新の動向に目を向けておくのは大切でしょう。走行中も電気を作れるので航続距離も長くなる可能性が高く、電気自動車が抱えているデメリットも克服できる可能性を秘めている期待の自動車です。
住宅用太陽光発電を導入するには?
住宅用太陽光発電を導入するには販売店を探して相談するのが基本です。まずは連絡を取って太陽光発電に関する不明点を質問して一通り解決して導入すべきかどうかを判断しましょう。そして、導入したいと考えたら現地調査を行ってもらい、どこにどの程度のソーラーパネルを設置するとどのくらいの発電量が見込めるかをシミュレーションしてもらいましょう。業者が提案する形で設置するためにかかる費用の見積もりもしてもらい、コストパフォーマンスを考えて内容を吟味するのが大切です。納得できる内容になっていたら、アフターサービスや保証内容などについても確認した上で契約を締結し、太陽光発電システムの導入工事を行ってもらいます。設置自体は一日で終わる簡単な作業のことが多く、指定した日時に実施してもらうことが可能です。必要に応じて複数の業者に相談して見積もりを取り、期待される発電量のシミュレーション結果や導入コスト、アフターサービスや保証の内容から判断して魅力的な業者に依頼しても良いでしょう。
まとめ
太陽光発電を導入するときには電気自動車も導入すると有効活用できます。燃料となる電気を自宅で供給できるようになるので実質的には燃料費をゼロにでき、蓄電池としても使えて非常電源になるのが魅力です。導入コストがかかるデメリットはありますが、補助金も利用できるのでかなり費用を抑えられます。どちらにも魅力があるので一方だけ導入しようと検討するケースもあるものの、可能であれば両方導入できるように検討してみましょう。車のディーラーや太陽光発電の販売店とよく相談して見積もりを取り、予算的に可能かどうかと長期的なコストに問題がないかを確認した上で併用計画を立てるのも大切です。長期的に見ればコストパフォーマンスが高い方法なので前向きに導入を進めていきましょう。
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