全国で注目されている太陽光発電には、epc事業というものが関わってきます。これまでに、太陽光発電のパンフレットなどでepc事業というキーワードを目にしたことがある人も多いのではないでしょうか。epc事業は、太陽光発電に関するサービス全般を提供する事業です。ここでは、epc事業がどんな事業なのかを具体的に解説していきます。
まずepcってどういう意味?
epc事業とは、太陽光発電所や太陽光発電システムの設置を一手に引き受ける事業のことです。epcのeは、Engineering(設計)、pはProcurement(調達)、cはConstruction(建設)の頭文字です。このような設計、調達、建設の3つの業務をすべて網羅しているのが、epc事業の特徴です。epc事業を展開する企業では、太陽光発電システムの設計からシステムの設置までをトータルでサポートします。
epc業務の主な内容
“epcの業務内容は、多岐にわたっています。例えば、主要な業務の1つがシステムの導入計画のプランニングです。太陽光発電システムを導入するときには、まず設置する場所の特徴を入念にチェックする環境調査が必要です。太陽光発電で利益をあげるには、十分な日射量が確保できることや、設置場所が高温になりすぎないことなどが重要になってきます。屋根に設置するときには、住宅の築年数や屋根の形状などを考慮しなければなりません。このような調査を行い、計画を立てるのがepcの業務です。その場所でどのくらいの電力が作れるかや、売電したときに期待できる利益などもプランニングの時点で試算します。
また、行政などの関係機関の許可が必要かどうかを確認するのもepcの業務の1つです。計画がまとまったら、太陽電池モジュールやパワーコンディショナーなどの各種機器類の選定、調達を行います。太陽光発電システムの機器はさまざまなメーカーが発売していますが、導入するにあたっては製品の設置基準と設置場所の条件が合っているかを確認する必要があります。行った調査の結果をもとに、最適な機器を選ぶのもepcの重要な業務と言えるでしょう。メーカーや販売店への発注、納品の管理といった機器の導入のサポートももちろんこの事業の業務です。
機器がひととおりそろえばいよいよ施工の段階に入りますが、epc事業のサービスではシステムの施工管理のサポートも行います。仕上がったシステムをクライアントに引き渡すまでが、epc事業の業務範囲です。”
epc契約の内容は?
“epc契約は、太陽光発電システムの建設に関する契約のことです。この契約をすると、契約を結んだ企業が建設工事の元請になって、下請業者の手配や工事の監督などを行います。この場合、実際の施工は下請業者が行いますが、元請の企業が設計や部材の調達、施工の管理までを担当するため、業務を一元化できます。こういったepc契約のスタイルは、効率よく業務が進むような計画を立てて設置作業を進めていけるのがメリットです。設計や施工の具体的なプランニングも、スムーズに進めやすくなります。
業務を一元化すると、コストの面でもメリットがあることが多いです。例えば、元請の企業は設置作業のすべてのプロセスを把握しているため、コストを減らせる部分などを見つけやすくなります。セットの割引サービスなどを利用して、より安く部材を手に入れられることもあるでしょう。業務を一元化するepc契約は、コストダウンも期待できるアプローチです。”
設計面の業者選びのポイント
“太陽光発電システムの設計を業者に依頼するときには、ぜひチェックしておきたいポイントがあります。例えば、業者の部材の選定に根拠があるかどうかは、1つのチェックポイントです。太陽光発電システムを導入する場合、太陽電池モジュールなどのさまざまな機器が必要です。このような機器は、設置する場所の環境やどのくらいの発電量がほしいかなどで適した製品が変わります。太陽光発電システムは長く使用するため、保証期間がどのくらいあるかも重要です。なぜその製品がよいのかについて、きちんと説明をしてくれるかどうかは、業者を選ぶときの1つの基準にしたほうがよいでしょう。
また、太陽光発電システムの運用計画や希望する売電計画に合った設計が行われているか否かも重要です。設置場所の環境に合っていない、または今後の運用で問題が生じそうな計画が提示されたら、別の業者に依頼をしたほうが賢明かもしれません。希望する売電計画に合った設計かどうかは、業者が提示するシミュレーションの数値などからある程度はわかります。ただ、業者側の試算が正確でないこともあるので、自分側でも将来的に見込める電気量や利益の金額を計算してみましょう。提示された結果が適正かどうかを、あらためてチェックしておけば安心です。”
調達や建設面の業者選びのポイント
“部材の調達や施工を依頼する業者を選ぶ場合は、まず迅速な発注をしてくれるかや納期に遅れがないかなどをチェックしましょう。当初の計画どおりにシステムの設置をするには、業者側のスムーズな対応が不可欠です。部材を調達する段階で手間取っていると、予定通りに施工を進められなくなってしまいますので要注意です。また、施工では造成の際の業者の技術レベルが1つのチェックポイントになってきます。設計時のプランと大きな違いがないかどうかはもちろん、仕上り具合もこまめに確認しておきたいところです。
架台の状態やパネルの並び方などは、とくに念入りに見ておきましょう。架台やパネルは、太陽光発電システムの主要な部分です。このような部分に歪みやがたつきがあると、設置した後にトラブルが生じる可能性があります。架台やパネルを設置する向きによって生産できる電気の量が変わることもあるため、正しい設置の仕方をしないと発電にも悪影響を及ぼす恐れがでてきます。施工の途中で状態をこまめにチェックしておくと、早く問題に気付けるでしょう。
太陽光発電システムの施工でも、工事の段階で予想外の状況に遭遇することは十分に考えられます。こういったときには、業者が途中で設計を一部変更するケースもあるかもしれません。当初の予定と異なる部分がある場合、業者側からきちんと説明が行われるかどうかもチェックポイントです。”
まとめ
“新たに太陽光発電を始める際には、いろいろなアプローチが考えられます。例えば、発電に必要な機器が安く手に入るルートがある人は、部材の調達は自身で行い、設計や施工だけを専門業者に依頼することも可能です。また、建設業などに携わっている人の場合、設計だけをプロに依頼して施工は自身で行うケースもあります。ただ、このような作業を太陽光発電に詳しくない人がすべて行うのは、難しいケースも多いです。太陽光発電の仕組み自体を知らないと、コストにとらわれてしまい、長期的な視点で判断ができないかもしれません。
太陽光発電システムは、一般的に設置してから20年前後は使用します。このようなシステムの場合、初期費用の価格だけを基準にして選ぶと失敗してしまうこともあるため注意が必要です。太陽光発電システムの導入に不安があるときには、今回ご紹介したようなepc事業を選べば安心と言えます。機器の選定や管理のサポートなどを一元化できる業者なら、効率よく施工が進むうえにコストも最小限に抑えられる可能性があります。epc事業を行う業者は太陽光発電にも詳しく、環境調査や機器の選定などを的確に行えるのがメリットです。施工実績が多い業者であれば、さらに安心感は高くなるでしょう。
太陽光発電の業者選びに悩んでいる人は、手始めにepc事業を行っているところを検討してみてはいかがでしょうか。 ”
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