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太陽光発電の発電量はどのくらい?計算式を紹介!

太陽光発電を始めたいと思っても、実際にどのくらい発電できるのか心配している方もいるでしょう。高額な費用をかけて発電システムを導入するのですから、元を取る以上の発電量を得たいところです。そこでここでは、太陽光発電システムの発電量について迫ってみます。太陽光発電の発電量を理解するために欠かせない用語の意味なども、紹介します。

【まずは知っておくべきこと1】kWとは?

“太陽光発電の発電量がどのくらい出るか表すときに、1kWあたり年間1,000kWhなどという表現をします。これは、太陽光発電の設置容量1kWにつき、1年間に1,000kWhの発電量を得られるという意味です。kWは一般的には電力の単位で1,000Wを示していますが、太陽光発電では設置容量を表しています。どのくらい発電するパワーがあるかを示すときに用いられ、kWの数値が大きいほど発電能力が高いのです。例えば1kWあたり1,000kWh発電量があるより、1,500kWh発電量があるほうが発電能力が高いことになります。

ちなみに、設置容量は2つの数値を比較して出します。比較するのは、設置するソーラーパネル公称最大出力の合計とパワーコンディショナーの容量の合計です。公称最大出力は、1枚のソーラーパネルがある状況下で発電できる出力を意味しています。パワーコンディショナーの容量の合計といっても、実際にはパワーコンディショナーにつながっている系統のパネルの容量の合計とパワーコンディショナー自体の容量のどちらか小さいほうが採用されます。”

【まずは知っておくべきこと2】kWhとは?

“もう一つ、太陽光発電の発電量について調べているとよく出てくる言葉がkWhです。kWhはキロワットアワーと読み、kWと同じく太陽光発電の発電量を意味しています。ただし、kWと違うのは、1時間あたりに発電できる電力量を指すからです。瞬間的な電気量や大きさを表すkWは、太陽光モジュールの最大出力数を示しています。一方、kWhを見ると1kWhの電力を1時間使ったときの量、あるいは1時間で発電できる量がわかるのです。

具体的な消費電力量を例にしてみると、電子レンジを600Wで10分温めると0.1kWhの電力が使われることになります。600Wに10分を乗じて、1時間を分数で示した60で割ると100Whです。これをkWhに換算すると、0.1kWhになります。1,200Wのパワーを出す掃除機で1時間掃除した場合は、消費電力量が1.2kWhです。この場合は1,200Wに1時間の1を乗じればよく、1,200Whと出た答えをkWhに換算すれば1.2kWhとなります。”

太陽光発電の発電量の目安は?

“発電量が多ければ効率が良さそうだと想像がついても、実際にどのくらいの電力量を発電できれば元が取れるのかが気になるでしょう。目安としたい太陽光発電の発電量は、1kWにつき年間1000kWh程度です。ただしこれは、あくまでも目安に過ぎません。というのも、太陽光発電の発電量は季節によって変動するからです。特に日本のように季節の移り変わりがハッキリしている地域では、年間の発電量にも差が出てきます。1日あたりの発電量は大体2.5~3.8kWh/kW程度、1ヶ月あたりの発電量は80~120kWh/kW程度を目安にしておくとよいでしょう。冬には日射量が減って発電力が低下する予測ができますが、実は夏場にも高温が原因でソーラーパネルの出力が低下し発電量が落ちることもあります。四季だけで発電量を割り切れないのも、難しいところです。

もちろん、個々の環境によっても発電量は違ってきます。ソーラーパネルを取り付けられる面積や地域、機器の性能などによっても発電条件に大きな差が出ることがあるのです。”

太陽光発電の発電量が変わる条件太陽光発電の発電量が変わる条件

“太陽光発電の発電量を左右する条件としては、設置エリアの気候や設置場所、ソーラーパネルの設置枚数やパネルの性能などが挙げられます。広い面積を使えると太陽光発電に有利なのは、ソーラーパネルの設置枚数を増やせるからです。1枚よりは2枚、2枚よりは4枚設置していたほうが、より発電量が多くなる期待が高まります。建物に設置する場合は、ソーラーパネルを取り付けられる屋根が広いほうが好条件です。ただし、従来に比べるとソーラーパネルは省スペース化・軽量化が進んでいます。小規模な屋根でも、太陽光発電システムを導入する可能性は広がっています。

軽量化などの性能も重視したいところですが、ソーラーパネルの性能では変換効率が見逃せません。太陽光エネルギーをどのくらい電気エネルギーに変換できるか示す数値で、大きいほど高性能です。太陽光エネルギー100に対して変換した電気エネルギーが10なら、変換効率は10%。太陽光発電の変換効率が10~19%が平均的という中で、数値が高いほど性能が高いことになり価格も上昇傾向にあります。

太陽光発電の効率は、気候にも左右されます。曇りや雨の日に比べれば、晴天の日はよく発電できます。とはいえ、夏場には高温によって発電力が低下するのが太陽電池の特徴です。気温は低めのほうが有利なことから、いかに日照時間と気温の関係を良くするかが効率の良い発電につながってきます。地域的には、雨や曇りが少なく日照時間が長いところが有利です。年間日照時間の1位は、山梨県。全国の1日平均は5時間ほどで、東北や日本海側より太平洋側のほうが日照時間は長めです。

日照時間の全国ランキング最下位は秋田県ですが、雪国だからといって太陽光発電が向いていないということはありません。ソーラーパネルに雪を積もらせないような角度にすれば、むしろ雪による反射は太陽光発電にとって有利になります。地域にかかわらず、ソーラーパネルの理想的設置角度は傾斜角30度です。傾斜角0度と40度では最大発電量の差に10%もの開きがあるため、角度は慎重に検討したほうがよいでしょう。周囲の乱反射による光の量にも影響を受けることから、実績の高い設置業者に相談することをおすすめします。”

時間帯による発電量の推移は?

“晴天の日には、正午を境に一日の発電量はきれいな山を描くように推移します。一日に発電できる時間は、日が照っている間だけです。一年で最も日が長くなる初夏には朝の5時~夜の19時まで、日が短くなる冬場には朝の7時~夕方の17時頃までが発電可能な時間と見ておくとよいでしょう。最も多い発電量に期待できる正午前後は3時間で約40%、5時間で約60%の発電量と、ほとんどの発電量が正午前後に集中しています。これは天候の良い日に南向きにパネルを設置している場合で、もっと発電力が下回る場合もあります。

天気は快晴にもかかわらず、午後13時にもなると急に発電力が落ちてしまうということもあるかもしれません。この場合に考えられる原因は、ソーラーパネルが高温になり過ぎていることです。高温に弱い太陽電池を使っていると、このような現象が起こる可能性があります。太陽電池の種類によっては、熱損失を防ぐことも可能です。”

年間予測発電量を計算する方法

“太陽光発電の年間予測発電量を計算するには、NEDO(独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)が発表している計算式が指標になります。あくまでも概算ですが、大体の年間予測発電量(kWh/年)を知るには便利です。実際には、日射量や設置環境、使用している機器などにより、損失係数が異なってきても不思議ではありません。その点を理解したうえで、以下の計算式で年間予測発電量を計算してみてください。

Ep(年間予想発電量kWh/年)=H(設置面の1日あたりの年平均日射量kWh/m²/日)×K(損失係数)×P(システム容量kW)×365(年間の日数)÷1(標準状態の日射強度kW/m²)

損失係数は、年平均セルの温度上昇による損失・パワーコンディショナーによる損失・配線や受光面の汚れなどによる損失などによって変わってきます。この計算式からわかるように、予測発電量はソーラーパネルの発電量とシステムによる損失を乗じることによって求められる数値です。年間予測発電量がわかると、どのくらいの電気代を節約できるのか、どのくらいの売電収入を得られそうかなどコスト面でのメリットを計れます。”

発電量を上げるための対策方法は?

“太陽光発電で最大限に発電量を上げるには、対策があります。まずは、ソーラーパネルの設置枚数を増やすことです。数多くのパネルを設置できるほど屋根の面積が広くない場合でも、パネルの種類を選ぶことで対策できます。省スペースで効率的な機能を持つソーラーパネルもありますから、詳しい業者に相談してみてください。ソーラーパネルの性能は、高ければ高いほど発電量に期待できます。逆に、パネルの性能が低くて思うように発電できないケースもあるため注意が必要です。

ソーラーパネルの設置角度や設置場所は、業者の知識や技術にかかってくるところです。好条件ではない場所でも、工夫次第で発電量を上げることができます。微妙な角度一つで発電量が大きく違ってくることもあるため、信頼できる実績を持った業者を選ぶようにしましょう。”

住宅に合ったパネル選びのポイント

“ソーラーパネルには、住宅やライフスタイルとの相性があります。1年間の消費電力を目安にして、それに見合った発電量を得られる太陽光発電システムを導入しましょう。一般的な家庭で1年間に消費する電力は、日本エネルギー経済研究所の調査結果によると4,800kWh程度です。年間約4,800kWhの消費電力をまかなうには、ソーラーパネル20枚以下でも間に合います。もちろん発電効率の高いソーラーパネルを選ぶ必要はありますが、システム容量が0.25kW前後であればパネル20枚で5kW前後の発電量が出せる計算です。

ただし、消費電力以外にも気象条件のリスクは考慮する必要があります。太陽光発電協会の調べを参考にすると、北海道や東北・北陸地方では年間の推定発電量が他の地域より下回っています。年間で最も推定発電量が高い地域は、長野県の松本市です。温暖な気候の静岡県や南方の沖縄県よりも高い推定発電量で、この地域の年間日照時間の長さがうかがえます。気温が高すぎると発電量が低下するリスクを考慮しつつ、パネル選びをすることも重要です。また、単純に高い発電量を期待するだけが太陽光発電を導入するメリットとは限りません。クリーンな自然エネルギーを利用して節電することも目的であれば、システムの規模が小さくても問題ないでしょう。その意味では、一般的な家庭の年間消費電力量を敢えて少なく見積もって計画してみるのも一案です。”

パネルが大きければ大きいほど良いわけではない

“発電効率を高めるには、ソーラーパネルを設置する面積が広いほうが有利です。ただし、面積によって必要なソーラーパネルの枚数は、メーカーの製品ごとに違ってきます。例えば、250Wのパネルなら10kWのシステムを設置するのに40枚が必要です。もっと発電効率の高いソーラーパネルを選べば40枚より少ない枚数でも済むでしょうが、性能の高いパネルは高額になる傾向があります。予算が十分にあればよいものの、できるだけコストを抑えたいとなればパネルの枚数を増やすことで折り合いをつけることになるかもしれません。パネルの枚数が多くなってもコストがかさむ可能性があり、さらには設置の安全性が低下する恐れが出てきます。このように考えると、一般家庭で10kW以上のパネルを設置するのはハイリスクとも考えられるのです。

パネル面が大きくなればなるほど、屋根に負荷がかかります。また、条件の良い向きの屋根に充分な設置スペースがない場合もあるでしょう。対策としては、2面以上の屋根にパネルを設置する方法、カーポートの屋根にパネルを設置する方法などがあります。いずれも、実行するとなるとコストアップです。無理にパネルを設置すれば雨漏りのリスクが高まりますし、カーポートのようにもともと薄い屋根にソーラーパネルを設置するのは困難です。パネルを設置できても、重みで屋根が車の上に落ちてくるような事故にもつながりかねません。高出力で面積の小さいソーラーパネルを選んだほうが、リスクは防げるでしょう。”

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まとめ

“一般家庭への太陽光発電システムの導入は、増えつつあります。リスクのあるケースも珍しくはありませんが、対策法を心得ている設置業者に依頼することで解決していける可能性は大いにあります。住宅に太陽光発電システムを導入する場合は、どのくらいの電力を消費しているかに合わせて太陽光発電システムを選ぶのが基本です。これまでの年間電力消費量を計算してみるのも、参考になります。一般的な電力消費量を参考にして、ソーラーパネルを選んでもよいでしょう。

太陽光発電システムの導入をきっかけに、節電を目指してみるのもおすすめです。その場合は、これまでの年間電力消費量より少なく見積もってソーラーパネルの設置を計画することもできます。敢えて大量に発電しないことで、クリーンなエネルギーをよりクリーンに活用可能です。まずは、どのくらい電力を消費しているのか、今後のライフスタイルと合わせて検討してみてはいかがでしょうか。”

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